モメンタム株の一方向的な上昇に慣れていた投資家は、5日の米株式相場急落に翻弄(ほんろう)された。しかし、この下落を一過性の出来事とみなすのは早計かもしれない。

こう警告するのは、ゴールドマン・サックス・グループとバークレイズのトレーディング部門だ。投資家のポジションの偏りや市場の裾野の狭さに加え、高金利が長期化するとの見方を背景に、株式市場は急激な調整に対してより脆弱(ぜいじゃく)になっているという。

リー・コッパースミス氏らゴールドマンのトレーダーは「こうした状況が重なると、ファクター投資の解消売りが株価指数の値動き以上に相場を揺さぶる可能性がある」と顧客向けリポートで指摘した。

5日の相場は、市場心理が悪化した場合、勝ち組銘柄の潮目がいかに急速に変わり得るかを投資家に示した。上場投資信託(ETF)のiシェアーズMSCI米国モメンタム・ファクターETFは同日6%下落し、トランプ米大統領が「解放の日」と呼んで大幅な関税引き上げを発表した2025年4月以来の大幅安となった。投資家は大型ハイテク株を急いで売却し、ディフェンシブ銘柄に資金を振り向けた。

ゴールドマンがまとめたデータによると、勝ち組銘柄を買い、負け組銘柄を売るモメンタム戦略では、買い持ち(ロング)ポジションへの集中が過去最高水準に達している。一方、売り持ち(ショート)ポジションは依然として積み上がっておらず、人工知能(AI)関連トレードや米連邦準備制度理事会(FRB)の金利見通し、あるいはインフレ再燃を巡る不透明感が強まれば、急激な相場反転が起きるリスクを増幅している。

システマティック運用の投資家も相場への下押し圧力を強める可能性がある。商品投資顧問業者(CTA)やボラティリティー・コントロール戦略は、株式エクスポージャーを2月以来の高水準まで積み増しており、相場の変動が続けば売りを余儀なくされる恐れがある。

バークレイズのグローバル株式タクティカル戦略責任者、アレクサンダー・アルトマン氏によれば、ボラティリティー・コントロール型ファンドは5日の相場急落を受けて米国株の組み入れ比率を約14ポイント引き下げる公算が大きい。そうなれば、1日当たりのリスク削減としては2月6日以来の最大となる。

リスク削減の一部は5日に既に実施された可能性が高いが、多くの売りは通常、数日遅れて出る。このため、週前半の相場に下押し圧力がかかる可能性がある。

アルトマン氏は「値動きが極端になる局面では、短期的な相場動向に大きな影響を及ぼす可能性がある」と述べた。

原題:Goldman, Barclays Traders Warn of Market Risks After Friday Rout(抜粋)

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