(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)ビットコインは先週、一時6万ドルを割り込み、週間ベースでは2022年の仮想通貨交換業者FTX破綻以来となる大幅な下落率を記録した。
現在の市場環境は当時と比べればはるかに落ち着いて見えるが、それこそが警戒すべき兆候だとアナリストは指摘する。反発しても長続きせず、市場の構造的な弱さが表面化する可能性があるという。
ビットコイン現物上場投資信託(ETF)からは資金流出が続き、テクニカル指標も悪化している。金利見通しも変化しており、今回の「暗号資産の冬」は過去ほど厳しくはないものの、下落局面はまだ終わっていない可能性がある。
マルチアセット運用会社プライマル・ファンドの共同創業者グリフィン・アーデン氏は、「ビットコイン相場にはなお下落余地がある」と指摘。「本格的な底打ちまではまだ時間がかかる」と語った。

今回の下落局面は、マイケル・セイラー氏率いる米ストラテジーが、保有するビットコインの一部を売却したことも一因となった。法人として世界最大級のビットコイン保有企業が、最大限の保有を続けるとしてきた長年の方針を転換したことになる。
ストラテジーは8日、投資家の不安を和らげようと動いた。同社は約1億100万ドルを投じて1550ビットコインを購入したと発表。売却額の250万ドルを大きく上回る規模だが、市場の信頼回復につながるかどうかは不透明だ。
テクニカル指標も悪化している。ビットコインは先週、下値の目安として注目される200週移動平均線を下回った。この水準を割り込むと投資家の警戒感が強まりやすい。

金利見通しの変化もビットコイン相場の重荷となっている。イラン戦争の長期化や5月米雇用統計の堅調な内容を受け、市場では米利上げの可能性が織り込まれ始めている。
ウェーブ・デジタル・アセッツで国際ポートフォリオ運用責任者を務めるラジブ・ソーニー氏は、「これは市場予想の大幅な転換だ」と語った。
今回の調整局面は、過去の「暗号資産の冬」との比較ではまだ穏やかだ。ビットコインは直近高値から約50%下落しているものの、過去の弱気相場では下落率が約80%に達した。
ただ、トークナイズ・キャピタルのマネジングパートナー、ヘイデン・ヒューズ氏は、足元の調整は過去の弱気相場ほど深刻ではないものの、「まだ」という言葉を忘れるべきではないと語る。
同氏は、ストラテジーのような企業が「暗号資産市場特有のリスク要因になっている」と指摘。こうした企業は大量の暗号資産を保有しており、資金調達環境が悪化したり、株価が下落したりすれば、保有資産の売却を迫られる可能性がある。
原題:Bitcoin’s Worst Week Since FTX Crash May Signal More Pain Ahead(抜粋)
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