(ブルームバーグ):53年ぶりの米プロバスケットボールNBA制覇まであと2勝に迫るニューヨーク・ニックス。その好調ぶりは、オーナーのジェームズ・ドーラン氏(71)の資産増加にもつながっている。
ニューヨーカーは地元スポーツチームのオーナーを酷評することで知られる。だが、その中でもドーラン氏に向けられる批判は群を抜いていた。同氏の下でニックスは史上屈指の低迷期に陥り、さらにファンとの確執や、自らの敵とみなした人物を本拠地マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)から締め出したことで悪名を高めた。
だが今、ニックスは8日に4月23日以来となる黒星を喫したものの、歴史的な快進撃を続けている。ニューヨーク市内はバスケットボール熱に沸き、ドーラン氏と投資家たちはその恩恵を享受している。
ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、ドーラン氏の純資産は今年に入って4億5000万ドル(約721億円)増加し、19億ドルに達した。
ニックスだけが、ドーラン氏の資産を押し上げているわけではない。かつては野心的すぎるとの見方もあったラスベガスのコンサート施設「スフィア(Sphere)」が黒字化した。MSGやラジオ・シティ・ミュージック・ホールを保有するMSGエンターテインメントの株価は34%上昇している。
また、ニックスを保有するMSGスポーツは、同チームを分離することを検討しており、投資家にとってはさらなる価値創出につながる可能性がある。
MSGスポーツは今年初め、ニックスと米プロアイスホッケーNHLのニューヨーク・レンジャーズを別々の会社に分離する案を検討していると発表した。投資家は各チームの価値がより明確になるほか、将来的な売却の可能性も高まると期待しており、この構想を受けて株価は上昇した。

スポーツ専門メディアのスポルティコは昨年、チーム関連事業や不動産を含めたニックスの価値を99億ドル、レンジャーズの価値を37億ドルと評価した。こうした評価額は、MSGスポーツの時価総額92億ドルを大きく上回るだけでなく、MSGスポーツとMSGエンターテインメントを合わせた時価総額127億ドルも上回っている。こうした評価ギャップはウォール街で「ドーラン・ディスカウント」と呼ばれてきた。
「(ドーラン氏は)素晴らしい1年を過ごしている」。ニックスの躍進を受けて、ドーラン氏の関連企業の長年の株主であるボイヤー・バリュー・グループのジョナサン・ボイヤー氏はこう語った。そして、「彼はようやくチームへの口出しを控えるようになった。その結果、チームは好成績を収めている。オーナーとしてあるべき姿を実践している」と述べた。
原題:Knicks Boost Fortune of NYC’s Most Hated Owner by $450 Million(抜粋)
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