FIFAワールドカップ(W杯)は、今夏の債券ボラティリティーの急騰懸念を和らげる材料となる可能性がある。

シティグループは、世界的な注目を集めるW杯の開催期間中、米欧の債券市場の変動が和らぐ傾向があると指摘する。初戦が11日木曜日に行われるのに先立ち、同行は、イールドカーブ(利回り曲線)の変動縮小を見込むポジションを推奨する見解を改めて示した。

マイク・チャン氏らシティのストラテジストは8日付のリポートで、「歴史的に、米国とユーロ圏の短期年限の金利ボラティリティーはW杯期間中、低水準にとどまるか、さらに緩やかに低下しており、目先のボラティリティー低下を見込む当社の見方を支えている」と記した。

シティのストラテジストは、イールドカーブの2年-10年ゾーンの変動について、足元の市場価格が今後1カ月に織り込む水準より小幅にとどまる傾向があるとみている。

この見方を踏まえ、同行はオプションを活用し、イールドカーブの変動縮小を狙う取引を推奨。「目先については、引き続き戦術的にイールドカーブの変動縮小を見込むポジションを選好している。特に今夏のW杯を前に、その見方を強めている」と記した。

市場のボラティリティーは通常、北半球の夏場に和らぐ。投資家が休暇に入り、取引が細るためだ。6月11日から7月19日までのW杯期間中は、市場よりも試合に気を取られるトレーダーが出てくる可能性があり、市場の流動性がさらに低下する要因にもなり得る。

債券市場のボラティリティーを示すICE・BofA・MOVE指数は3月の高水準から低下し、1年前を下回る水準にとどまっている。金利が比較的狭いレンジに落ち着いていることを示す。

中東紛争を巡る不透明感はあるものの、シティは短期金利のボラティリティーが抑制された状態にとどまると予想する。連邦準備制度の慎重な政策運営が、市場変動の抑制につながるとの見方だ。

今週の米消費者物価指数(CPI)発表で相場が振れる可能性はあるが、その後は1カ月程度、比較的静かな期間に入るとの見方を同行は示した。

原題:World Cup Season Spurs Citi’s Bearish Call on Rates Volatility(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.