(ブルームバーグ):米アップルが8日発表した次世代人工知能(AI)プラットフォームに対し、投資家は冷ややかな反応を示した。同社はシリコンバレーの競合各社に追いつくための重要な取り組みと位置付けている。
グーグルの技術を基盤とする新AIシステム「Apple Intelligence」は、8日に開催された世界開発者会議(WWDC)の基調講演で発表された。ソフトウエア部門トップのクレイグ・フェデリギ氏は、刷新されたデジタルアシスタント「Siri」を含む今回のアップデートについて、現行ソフトからの大幅な改善だと説明。Siriは「より賢く、知識が豊富で、能力も高くなった」と述べた。

ただ、新機能の多くはアップルが以前に発表しながら提供を延期した機能と類似している。また、新しいSiriは今秋にベータ版として一般消費者向けに提供される予定で、日常利用向けとしてはまだ完成していないことを示している。
アップルは、新たなAI機能について、中国では同社が「規制要件への対応を進めている」間は利用できないと説明した。欧州連合(EU)でも規制の影響で導入は遅れる見通しだ。
同社の株価は発表直後には3%余り上昇したが、その後は勢いを失い、8日のプレゼンテーション終了時点では約0.7%下落した。
フェデリギ氏によると、Apple Intelligenceはユーザーのリクエストの文脈をより深く理解できるようになる。また、ユーザーが見ているものに関する情報を提供する「Visual Intelligence」機能を強化し、文章作成支援ツールも改善する。新たなアシスタント「Siri AI」はまず英語で提供を開始し、その後「迅速に」他言語へ対応を広げるという。
アップルは重要な局面にある。同社は2年前にApple Intelligenceを発表した際には、多くの機能の提供が遅れたり、競合製品より性能が劣ったりしていただけに、AI技術が再び軌道に乗ったことを投資家や消費者に示さなければならない。
Siriの刷新は、同社のAI復活戦略の中核を担う。ブルームバーグ・ニュースが報じたところによると、新機能には独立したSiriアプリや、よりチャットボットに近いインターフェースが含まれる。2011年に初めて公開されたSiriは、AI機能を強化した競合サービスに後れを取っていた。
フェデリギ氏はプレゼンテーションで、今回のソフト更新はAI、性能向上、安全性の3分野に重点を置くと説明した。これによりソフトや写真の読み込み速度が向上する。一方、新たな子ども向け安全保護機能では、画面利用時間を管理し、不適切なコンテンツへのアクセス防止を支援する。
パソコン「Mac」向け製品群についてフェデリギ氏は、次期「macOS」の名称を「Golden Gate」とすると発表した。
同社は昨年発表したユーザーインターフェース「Liquid Glass」のデザインにも改良を加えた。変更点の一つとして、効果の強さを調整できるスライダーを新たに導入する。一部ユーザーからは、Liquid Glassでは文字が読みにくいとの不満が出ていた。
原題:Apple Investors Give Lukewarm Reaction to New Siri, AI Platform(抜粋)
(発表の詳細を追加して更新します)
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