来週開幕するサッカーのFIFAワールドカップ(W杯)が、米国とカナダの雇用急増に一役買った可能性がある。両国の雇用統計では、娯楽・ホスピタリティー(接客業)での採用が5月に力強く伸びた。

5日公表の政府統計によると、米国ではレストランやバー、ホテルでの採用増加を背景に、ホスピタリティーの雇用者数が約3年ぶりの大幅増加となった。別の統計によると、カナダでも同業種の力強い採用が寄与し、雇用者数が大きく増加した。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の米経済分析責任者マイケル・リード氏は、米国とカナダの労働市場について「雇用増加の裾野拡大や景気循環的な勢いも見られるが、娯楽・ホスピタリティーはワールドカップを控えて一時的に押し上げられた可能性が高い」と指摘した。その上で、「ただし勢いという観点では、その効果は長続きしないだろう」と述べた。

米国とカナダ、メキシコは6月11日から7月19日にかけて、世界最大のスポーツイベントであるW杯を共催する。チケット価格や宿泊料金の高騰に加え、イラン戦争を背景とする航空運賃の上昇から、観客動員を懸念する声も出ているが、それでもW杯は数十年に一度の大きな経済効果をもたらすと期待されている。

FIFAはこの大会の経済効果として、米国だけでも約18万5000人分のフルタイム雇用を見込んでいる。特に宿泊・飲食サービス業と航空輸送業が大きな恩恵を受けると予想している。米連邦準備制度理事会(FRB)の地区連銀景況報告(ベージュブック)によると、アトランタやフィラデルフィア、サンフランシスコなどの企業はここ数週間、ワールドカップによる需要拡大を見込んでいた。

当局者らは需要が直接的なワールドカップ関連活動にとどまらず、他の分野にも波及すると見込んでいる。5日発表の米雇用統計によると、地方政府の雇用者数は5月に約2年ぶりの大幅増加となった。ジェフリーズの米国担当チーフエコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は警備などイベント支援業務向けの採用が進んだ可能性があると指摘した。芸術・娯楽・レクリエーション分野でも、雇用者数が増加した。

5月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が堅調な伸びを示し、ブルームバーグ調査のエコノミスト予想を全て上回った。失業率は4.3%で前月から変わらず。カナダの雇用者数も約8万8000人増加と市場予想を上回り、失業率は6.6%に低下した。

原題:World Cup Likely Gave a Lift to Blowout US, Canada Jobs Numbers(抜粋)

--取材協力:Mario Baker Ramirez、Maria Eloisa Capurro.

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