瀬戸内海で自力航行できなくなった海上自衛隊の護衛艦「いなづま」の本格的な潜水調査が始まり、船体の右側を中心に、前部から後部にかけ、全体的な損傷が確認されました。

きょう午前、海上自衛隊の潜水員が、山口県周防大島町沖の瀬戸内海で自力航行できなくなっている「いなづま」の潜水調査を行いました。

船体後部のスクリューや舵が損傷しているのに加え、前部にある潜水艦の位置を確認するためのセンサーが収められた部分にも、へこみや亀裂があることが確認されたということです。

部分的ではなく、船体全体が損傷を受けていることから、海上自衛隊は、浅瀬で海中の障害物に接触した可能性が極めて高いとしています。

「いなづま」からは少量の油が流れ続けており、基地や造船所に曳航するには、完全に油漏れを防ぐ措置が必要になるということです。

海上自衛隊は事故調査委員会を設置。海上保安庁の捜査に協力するとともに、自らも原因調査を進める方針です。