(ブルームバーグ):T&Dホールディングスは、傘下の生命保険会社をソフトバンクグループ傘下のPayPay(ペイペイ)などに売却して得る資金を自社株買いと人工知能(AI)などへの戦略投資に充てる。資本効率を改善し、将来の成長につなげる。
T&DHDの森山昌彦社長が4日夜、ブルームバーグの取材に応じた。同社は同日、主力事業の一つのT&Dフィナンシャル生命保険(TDF)の株式85%を計1600億円で売却すると発表した。TDFは銀行など保険代理店を介して販売する資産形成型の商品を主力とする。
森山氏は「3年後には100%の株式を譲渡する方針だ」と語った。売却総額は1880億円ほどになると見通す。税引き後の半分にあたる800億円程度を自社株買いに充当し、2027年10月以降に実施する方針だ。
同社が一度に決議する自社株買いの規模としては、業績好調を受けて25年3月に発表した過去最高の1000億円に次ぐ規模となる可能性がある。4日には発行済み株式総数(自社株除く)の2.5%に当たる300億円を上限とした自社株買いの実施も発表した。

T&DHDの5日の株価は一時前日比8.5%高の4475円まで上昇し、07年6月以来、19年ぶりの高値を付けた。

今回の売却の背景には「貯蓄から投資へ」の流れが進み、他の金融商品との競争激化があると森山氏は述べた。顧客の利回りに対する意識は強く、競争相手は他社の保険のみならず投資信託などにも広がる。
PayPayは日本の人口の半数以上に相当する7400万人のユーザーを持つ。PayPayの経済圏を活用した方がTDFは成長できると考えるとともに、T&DHDとしては資本効率の高い他の事業に経営資源を投じることを決めたという。
売却で得る資金は自社株買い以外に戦略投資の原資とする。AIなど事業基盤の強化に活用する。4月に成長投資枠として5000億円を掲げたが、今回の売却で得る資金とは別枠として設定している。
31年3月期のグループ修正利益目標の2300億円はTDF分の利益が剥落する中でも維持する。森山氏は、事業投資や企業の合併・買収(M&A)などで補い「目標を上回る成長をしていきたい」と述べた。
PayPayなどへの譲渡日は27年10月1日を予定する。3年間は事業の引き継ぎ期間として一部株式の保有を継続する。
(4段落目を追加したほか、株価動向などを加えて記事を更新します)
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