(ブルームバーグ):米国の高頻度取引業者ジェーン・ストリート・グループは、計算能力の需要増大に対応するため、自己資金でデータセンターを建設する計画だ。
事情に詳しい関係者によると、同社は人工知能(AI)向け計算資源への既存投資に加え、新たな施設建設の可能性について、テクノロジー業界や暗号資産業界、金融業界の企業と協議している。関係者は非公開情報を理由に、匿名を条件に語った。
関係者によると、協議は初期段階にあり、データセンターの規模や立地はまだ決まっていない。ジェーン・ストリートは既にダラスのデータセンターから計算能力の一部を調達しているほか、コアウィーブなどクラウドサービス事業者とも提携している。
ジェーン・ストリートの広報担当者はコメントを控えた。

AI向けデータセンター需要の急拡大により、かつて少数の巨大テクノロジー企業が支配していたクラウドコンピューティング市場は、裾野を広げている。AI向け半導体を貸し出す小規模事業者も参入しており、その中には元暗号資産マイニング企業も含まれる。利用可能な計算能力を巡る競争は激しさを増している。
ジェーン・ストリートの取り組みは、プライベートエクイティー(PE、未公開株)業界によるAIデータセンター投資と、性格が異なる。同社は投資対象としてではなく、自社利用のためにデータセンターを建設しようとしている。関係者2人によると、この施設は将来の資産価格予測などに活用する社内AIモデルの訓練に利用される可能性がある。
共同テクノロジー責任者であるロン・ミンスキー氏は、先月公開されたYouTube動画で、「当社には多くの革新や実験、新たなアイデアがあるが、それらは計算能力という制限を受けている」と語った。
ジェーン・ストリートは事業拡大と取引量の増加に伴い、自己資本、すなわち取引に投入する資金も増やしている。記録的な利益を上げており、それが計算能力拡大への投資を支えている。同社は昨年396億ドル(約6兆3400億円)のトレーディング収入を計上し、過去最高を記録し、ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースといったウォール街大手をしのぐ業界有数のプレーヤーへと躍進した。
ブルームバーグが先月報じたところによると、第1四半期のトレーディング収入は161億ドルと、前年同期の2倍を上回り、記録更新の勢いは続いている。
原題:Jane Street Plans New DataCenter as Compute Power Runs Scarce(抜粋)
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