(ブルームバーグ):人工知能(AI)ブームによる半導体メモリーの世界的な不足が、自動車から医療機器まで幅広い産業にリスクをもたらしているとして、複数の米業界団体でつくる連合がトランプ政権に対し、メモリー供給拡大への支援を求めた。
9つの業界団体はベッセント財務長官とラトニック商務長官に宛てた3日付の共同書簡で、メモリー不足が重要なサプライチェーン(供給網)を混乱させる恐れがあり、近く消費者価格が押し上げられる可能性が高いと警告した。
業界団体側によると、急拡大するAIデータセンターがメモリー生産能力を過度に占有した結果、「メモリー価格は過去に例のないほど上昇し、製造業や消費者向け産業への供給が減少している」という。
また、「AIの最近の発展は歴史的な技術革新につながる可能性を秘めており、米国の技術的優位性にとって重要だが、他の主要産業へのしわ寄せは避けなければならない」と訴えた。
書簡に署名した団体には、自動車イノベーション協会(AAI)、医療機器製造業協会(MDMA)、全米小売業協会(NRF)などが含まれた。
団体側によると、消費者向け電子機器が値上がりしている上、インターネットや通信インフラのコストも上昇している。さらに、自動車や医療機器などの製品では供給不足が生じる恐れがあり、連邦政府契約業者、とりわけ中小企業は調達義務の履行に課題を抱えているという。
かつて汎用(はんよう)品とみなされていたメモリーだが、AI向け需要の急増で供給不足が続いている。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)といった半導体設計企業は、AI向け機器に不可欠な広帯域メモリー(HBM)の確保に膨大な資金を投じており、メモリーメーカーはこうした顧客を優先している。別の種類のメモリーを必要とする自動車や家電などの業界にとって、調達環境は一段と厳しさを増している。
業界団体は書簡でトランプ政権に対し、メモリーメーカーや半導体購入企業と連携して米国とその同盟国で生産能力拡大を進めるよう求めた。また、通商協定の仕組みや国内半導体業界支援法(CHIPS法)に基づく制度を活用して供給網を強化し、消費者向け産業や製造業を含め市場のあらゆる分野への安定供給確保に注力すべきだと提言した。
原題:Trade Groups Urge US to Boost Memory Chip Supply Strained by AI(抜粋)
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