ニューヨーク時間3日の外国為替市場では、円が対ドルで1ドル=160円台に下落。一時は160円09銭まで下げた。重要な節目である160円近辺を下回り、介入警戒感が高まっている。

アジア・欧州の取引時間帯では、日本銀行の植田和男総裁が今月の利上げの可能性を示唆したことを受け、159円37銭まで上昇する場面もあった。だが、これまで2回の利上げ前に行った発言ほど、強くは示唆しなかったと受け止められ、円はニューヨーク時間に入ってからじりじり下値を切り下げた。

植田総裁は物価の上振れリスクが高まれば利上げの是非に関する議論が必要だとし、早期実施に前向きな姿勢を示した。この発言は、16日に利上げが実施される可能性が高いことを示唆するものの、過去2回の利上げ前に行った発言ほど明確なものではなかった。

ノムラ・インターナショナルの通貨ストラテジスト、宮入祐輔氏は、日銀は6月利上げに向かっているようだと指摘。その上で、利上げは既にかなり織り込まれているため、植田総裁の講演がドル・円相場のトレンドを変えることはないだろうと述べた。

オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の利上げ確率は約86%となっている。

また、恒久的な停戦合意に向けた米国とイランの交渉は進展の兆しがほとんど見られず、円への下押し圧力が強まっている。日銀が4月に政策金利を据え置いたことを受け、日米金利差の開きも円相場の重しとなっている。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇し、5月19日以来の大幅高となった。

この日は米国とイランの衝突で原油価格が続伸。底堅い指標で米利上げの可能性も意識され、米国債利回りが上昇したこともドルの追い風となった。

フォレックス・ドット・コムのファワド・ラザクザダ氏は「今後発表される米経済指標の上振れが続けば、ドル上昇という形でFRBのタカ派色の強まりが織り込まれるだろう。特に円のような低金利通貨や利子のつかない金に対して、ドル買いが強まる可能性がある」と指摘した。

政府・日銀が4月28日から5月27日の間に計11兆7349億円の為替介入を実施していたたにもかかわらず 円相場は心理的節目の160円を超えて下落した。160円水準は、円の売買を巡るオプション契約が集中する重要な水準にもなっている。

原題:Yen Holds Near 160 Against Dollar After BOJ’s Ueda Hints at Hike(抜粋)

(相場を更新し、第2段落以降に詳細を追加しました)

--取材協力:近藤雅岐、日高正裕、日向貴彦、深瀬敦子、ジョン・チェン、Alice Atkins.

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