(ブルームバーグ):過去最大規模の為替介入にもかかわらず円安の流れが続き、市場参加者は約2週間後の日本銀行の金融政策決定会合を前に、当局による再度の介入への警戒感を強めている。
政府・日銀は4月28日から5月27日の間に月次ベースで過去最大となる11兆円超の為替介入を実施したが、円は5月に主要10通貨で最弱通貨となった。円安圧力の根強さが浮き彫りとなる中、市場では今月16日の日銀決定会合で見込まれる利上げが円の支援材料となる前に、円が再び対ドルで160円を突破するリスクが意識されている。
ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの駱正彦チーフ債券ストラテジストは「介入は時間を稼ぐことはできても、潮目を変えることはできない」と指摘。「本当の転換点は日銀からもたらされなければならない」と述べた。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、レバレッジド・ファンドとアセットマネジャーによる円の弱気ポジションは5月26日時点で2024年7月以来の水準に拡大した。
円安の背景には日本と米国の金利差が依然として大きいことがある。インフレ圧力が高まる中でも日銀の利上げペースが緩慢なためだ。投資家の関心は2週間後の日銀の政策決定に集まっており、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では同会合での利上げ確率が8割近く織り込まれている。
ステート・ストリートの駱氏は、当局による巨額の円買いにもかかわらず円安が続いていることについて「介入効果の逓減を浮き彫りにしている」と指摘した。
中東情勢も円の下押し要因となっている。原油価格の高止まりがインフレ高進や貿易赤字拡大への懸念を強めている。米国とイランの恒久的な停戦に向けた交渉に進展が見られない中、北海ブレント原油先物は週明けの取引で上昇した。
円相場は4月30日以来の安値圏で推移しており、市場参加者はさらなる介入に警戒を強めている。片山さつき財務相は5月29日の閣議後会見で、為替市場の動向に関し「投機的な動きあれば断固として措置を取れる」との見解を改めて示した。円は6月1日午後の東京市場で159円台半ばで取引されている。
SBI FXトレードの上田真理人取締役は、円は160円を突破する可能性があり、「その場合は介入をやらざるを得ない」と指摘。その上で、日銀による利上げやタカ派的な発言と組み合わせて実施すれば、介入の効果は高まるとの見方を示した。
--取材協力:近藤雅岐.
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