米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル前議長は、大統領が政策上の意見の相違を理由にFRB当局者を自由に解任できるようになれば、FRBは力強く安定した経済を支えるために必要な信認を失うことになるとの認識を示した。

パウエル氏は5月31日、ボストンのジョン・F・ケネディ大統領図書館で「勇気ある人物賞」を受賞する際に用意した講演原稿で「どの政権であれ、政策上の相違を理由にFRB当局者を解任する方法を見つければ、その後の政権も同じことをするだろう」と指摘。そのような状況になれば、FRBが全ての米国民にとって何が最善かに基づいて意思決定を行うという信認が失われると語った。

同氏は「FRBの信認は失われる」とし、「われわれの信認は何十年にもわたって築かれ、維持されてきた。われわれには、そのかけがえのない資産を国民と将来の世代のために守る責務がある」と述べた。

パウエル前FRB議長

31日の発言は、パウエル氏がケビン・ウォーシュ氏にFRB議長の座を引き継いだ後、初めての公のコメントとなった。パウエル氏は現在もFRB理事を務めている。理事としての任期は2028年1月まで。

米最高裁判所はクックFRB理事の解任の是非について審理を行っている。トランプ米大統領は住宅ローン詐欺疑惑を理由にクック氏の解任を試みているが、クック氏は疑惑を否定している。

パウエル氏は、金融政策を政治的干渉から守るために設けられたFRBの法的保護は「明快」だと強調した。また、米国政治の深い党派対立を認めつつも、米国民に対し「国家を規定するより高次の原則」を守るために団結するよう呼びかけた。

同氏は「その中でも最も重要なのは法の支配への敬意だ」と語った。

原題:Powell Says Fed Credibility Lost If President Can Fire Officials(抜粋)

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