欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は1日、ステーブルコインは金融安定と金融政策にさまざまなリスクをもたらす可能性があり、ECBの最善の対応は法定通貨が引き続き金融システムのアンカー(いかり)として機能するよう確実にすることだとの考えを示した。

シュナーベル氏は韓国銀行(中銀)がソウルで開催した会議で、ステーブルコインのような民間による通貨分野のイノベーションは「大きな恩恵」をもたらし得る一方、こうした金融商品はストレス時に金融システムで取り付け騒ぎのリスクを高め、政策金利決定の波及経路を弱めるほか、ドルの国際的優位性を固定化する可能性があると述べた。

同氏は「中銀と規制当局は金融安定を守り、通貨に対する統制を維持し、デジタル時代における自国通貨の役割を支えるため、規制や金融政策運営、決済インフラを機動的に適応させる準備が必要だ」と語った。

シュナーベル氏によると、ECBの戦略は小口向けの中央銀行デジタル通貨(CBDC)としてのデジタルユーロと、ホールセールCBDCとしてのトークン化されたユーロを柱としている。

トランプ米大統領が暗号資産の普及を後押ししていることを背景に、その大半がドルに連動するステーブルコインは過去1年間で人気が急拡大した。一方で、一部の国際的な規制当局や監督当局は、金融安定への潜在的な脅威について警鐘を鳴らしている。

ステーブルコインの急成長により、こうした金融商品が欧州で存在感を強め、ユーロ圏の銀行や金融主権を脅かすのではないかとの懸念も高まっている。

欧州独自のステーブルコインが必要かどうかという議論もあり、ドイツ連邦銀行(中銀)のナーゲル総裁はユーロ建てステーブルコインを2月に支持した一方、ラガルドECB総裁は先月、極めて批判的な見解を示した。

シュナーベル氏はラガルド総裁の見方に言及しながら、「ステーブルコインの利点の多くは金融商品そのものの特性ではなく、それを支えるテクノロジーに由来する」と強調。

ステーブルコインの将来的な成功についても慎重な姿勢を示し、「こうした環境下でステーブルコインが50年前のマネー・マーケット・ファンド(MMF)のように金融システム内で地位を確立するのか、それともトークン化預金など他のイノベーションがより有望な代替手段となるのかは、今後を見極める必要がある」と述べた。

原題:Best ECB Response to Stablecoins Is Digital Euro, Schnabel Says(抜粋)

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