(ブルームバーグ):1日の日本市場は日経平均株価が初めて6万7000円台に上昇し、取引時間中の最高値を更新した。ソフトバンクグループなど個別に材料の出た銘柄が買われて指数を押し上げている。米国とイランの暫定合意を巡る不透明感が続き、債券は下落。円は対ドルで159円台半ばに下げている。
ソフトバンクGはフランスでの大規模な人工知能(AI)向けデータセンター構築計画が明らかになり、時価総額はトヨタ自動車を一時上回った。株式分割と自社株買いを発表した東京エレクトロンや、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き上げたキオクシアホールディングスも上昇している。
大和証券の橋詰大輔シニアストラテジストは、半導体関連の業績見通しが引き続き強い上、ソフトバンクGなどが買われて「相場の二極化が継続」していると指摘。「日経平均の上昇幅ほどには日本株全体が買われている印象はない」と言う。
中東情勢について「週末に目立った進展が見られなかったため、停戦期待がやや後退した面がある」と橋詰氏は分析。株式相場は「先週に大きく上昇していたこともあり、きょうは利益確定の動きが出やすかった」と述べた。
トランプ米大統領は5月29日、イランとの暫定合意に関して「最終判断」を行うと自身のSNS投稿で明らかにしたものの、その後発表はない。同氏が高濃縮ウランやホルムズ海峡に関し、覚書の草案を修正するよう求めたとの報道もある。イスラエルがレバノンでの地上作戦を拡大するなど武力衝突も続き、中東情勢を巡る警戒感は根強い。東証株価指数(TOPIX)は前週末の終値を挟んで推移している。
株式
日経平均が堅調な半面、輸出関連株や商社株を中心に売りが広がり、TOPIX構成銘柄の約7割が下落している。
東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、先週に主要指数が終値での「最高値を更新し、過熱感がある」と指摘。米国の経済指標や日本銀行の利上げ時期を巡る不透明感も残ることから、投資家は様子見姿勢だと述べた。ただ、米長期金利が落ち着いているため、供給管理協会(ISM)指数が米経済の底堅さを示せば、ハイテク関連株には追い風になるとの見方を示した。
債券
債券相場は下落(金利は上昇)。中東情勢の不透明感が続く中、売りが優勢だ。あすの10年債入札、3日の日銀の植田和男総裁の講演を控えて方向感が出にくい。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、市場では植田総裁の講演で利上げに向けた地ならし的な発言があるとの見方が強いと指摘した。きょうは材料が乏しく、あすの10年債入札を控えて軟調な展開が続くとみている。
為替
円はドルで159円台半ばに小幅下落。米国とイランとの停戦合意を巡り袋小路の状態が続き、ドルの買い戻しが優勢だ。
みずほ銀行国際為替部の長谷川久悟マーケット・エコノミストは電話取材で、中東情勢のこう着に加え、世界の株式が上昇する中、高金利通貨や資源国通貨ではない円は売られやすいと指摘。きょうのドル・円は、介入を警戒しながら先週付けた159円65銭に向かうとの見方を示した。
3日の植田日銀総裁の講演も注目される。関西みらい銀行の石田武ストラテジストは、植田氏がタカ派的な発言をした場合、次回の金融政策決定会合での利上げが決定的になるため、「円高方向に動く」と予想している。
財務省が先週末公表した介入実績によると、政府・日銀は4月28日から5月27日の間に計11兆7349億円の為替介入を実施していた。月次ベースの介入額として過去最大を更新し、市場の推定を上回った。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、介入はドル・円を押し下げるというより、160円を守るという意味合いが強いと指摘。159円後半から介入警戒感が意識されるとの見方を示した。中東情勢が改善し原油価格が下落すれば、「ドルの上昇圧力は弱まる」とも述べた。
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