1日の外国為替市場では円がドルで159円台前半で小幅に下落。米国とイランとの停戦合意を巡り袋小路の状態が続き、ドルの買い戻しが優勢だ。債券はもみ合いから弱含みで推移する見込み。

トランプ米大統領は29日、イランとの暫定合意に関して「最終判断」を行うとSNS投稿で明らかにしたものの、その後発表はない。トランプ氏が覚書の草案について、高濃縮ウランの米国への引き渡し方法や時期に関し、より具体的な詳細を盛り込むよう求めたとの報道もある。

みずほ銀行国際為替部の長谷川久悟マーケット・エコノミストは電話取材で、円は「じり安の展開」と予想する。中東情勢のこう着状態に加え、世界の株式が上昇する中、高金利通貨や資源国通貨ではない円は売られやすいと指摘。きょうのドル・円は、介入を警戒しながら先週付けた159円65銭に向かうとの見方を示した。

財務省が先週末公表した介入実績によると、政府・日本銀行は4月28日から5月27日の間に計11兆7349億円の為替介入を実施していた。月次ベースの介入額として過去最大を更新し、市場の推定を上回った。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは1日付リポートで、11兆円超の介入実施後もドル・円のじり高が続いていることで、「一部で介入の効果について懐疑的な見方が強まる可能性は否定できない」と分析した。

その上で、今週は1日発表の供給管理協会(ISM)製造業指数など米経済指標と3日に予定されている日銀の植田和男総裁の講演が注目だと指摘。「植田総裁のインフレ上振れ回避に対する市場の信認が弱まり、ビハインド・ザ・カーブ懸念が高まれば、ドル・円が160円の節目を試す機運が高まる」可能性があるとしている。

債券

債券はもみ合う展開が予想される。米国とイランの暫定合意を巡る不透明感が続く中、あすの10年債入札、3日の植田総裁の講演を控えて方向感が出にくい。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、中東情勢の和平交渉も目立った進展がなく、楽観して買われていた流れが途絶えると指摘。一方、入札や植田総裁の講演を控え、目立った材料もなく「ポジションを傾けにくい」とし、きょうの相場はもみ合いから先週の反動で弱含みと予想する。

先物の夜間取引で中心限月6月物は29日の日中取引終値比3銭安の128円86銭で終えた。鶴田氏の先物の予想レンジは128円70銭-129円00銭、新発10年債利回りは2.645-2.675%(29日は2.655%で終了)。29日の米10年国債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い4.44%程度で引けた。

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