ヘグセス米国防長官は30日、対中関係の安定を歓迎し、アジア同盟国の防衛力強化の動きを称賛する一方、長年の安全保障パートナーである欧州諸国には厳しい姿勢を示した。国内総生産(GDP)比3.5%を目標に同盟諸国が防衛費の増額を目指すべきだという考えも示唆した。

ヘグセス国防長官はシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で演説し、トランプ政権は「模範的な同盟国」との協力を優先すると表明。そうした国々は「最も能力が高く、現実を直視し、自国の利益を守る準備ができている」と評価した。

「米国の納税者の寛大さにただ乗りし続けられると考えている人々は、よく聞いてほしい。そうした時代は終わった」とヘグセス氏は述べ、「集団防衛のために応分の責任を果たそうとしない同盟国には、米国の対応に明確な変化が生じるだろう」と発言した。

ヘグセス氏はニュージーランドに特に言及し、防衛費をGDP比2%に引き上げる政府目標は十分でなく、「ただ乗り」の典型だと主張した。

ヘグセス長官は、アジア太平洋諸国が防衛能力の強化を進めていることを評価し、とりわけ韓国を模範例として挙げた。一方で、欧州や北大西洋条約機構(NATO)の長年のパートナーについては、「大きな決断を下す必要がある」と述べ批判した。

トランプ政権は世界各地の同盟国に対し、防衛費の増額や地域の安全保障に対する責任拡大を求めている。その結果、NATO加盟国は対米依存を下げる欧州主導の集団防衛へと傾斜しているが、米国はアジアへの関与を継続し、軍事面での連携も強化している。

台湾問題は米中間の主な懸案の一つとなっている。米国による台湾への武器売却や外交面での支援は中国の反発を招いている。習近平国家主席は今月、トランプ大統領に対し、この問題の処理を誤れば衝突につながりかねないと警告した。トランプ氏は総額140億ドル(約2兆2300億円)規模の台湾向け武器供与計画の承認を先送りしている。

ヘグセス長官は演説後の質疑応答で武器供与計画について質問され、「将来の台湾向け武器売却に関するいかなる決定も、大統領が述べた通り、最終的には大統領の判断に委ねられる」と語った。

ヘグセス氏は演説で台湾に直接言及しなかった。国防総省トップがシャングリラ会合で台湾に触れなかったのは少なくとも過去10年で初めて。中国共産党は台湾を自国領の一部と主張しており、同問題は米中関係における最大のレッドライン(越えてはならない一線)であり続けている。演説ではイランへの言及もなかった。

トランプ大統領は今年、中東ではイランを攻撃対象とし、カリブ海地域では別の作戦で軍事行動を展開した。ベネズエラを巡る対応はおおむね成功と受け止められている一方、中東での戦争を巡っては批判も出ている。ホルムズ海峡の実質封鎖によって世界のエネルギー供給が圧迫され、重要装備品の備蓄も減少している。

原題:Hegseth Chides Europe, Hails Ties With China and Asia Allies (2)、NZ Lacks Billions ‘Under the Couch’ for Greater Defense Spending(抜粋)

(防衛費GDP比3.5%への言及などを追加し更新します)

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