(ブルームバーグ):イーロン・マスク氏率いる米宇宙開発企業スペースXが史上最大級とみられる新規株式公開(IPO)の実施に近づく中、暗号資産(仮想通貨)の一角では上場価格を巡る取引が活発化している。最近の事例を見る限り、その動向は注目に値するかもしれない。
満期のない先物である永久先物を使って、IPOの数カ月前から企業の想定上場価格を取引するもので、スペースXを対象とする契約は今月取引が開始された。過去2週間の日次売買代金は平均で約1800万ドル(約28億6600万円)に達した。
これらの契約は株式とは異なり、対象企業に対する法的な持ち分を与えるものではなく、保有には継続的なコストもかかる。それでも先月、同様の商品が人工知能(AI)半導体スタートアップのセレブラス・システムズのIPO価格を高い精度で予測した。
暗号資産系デリバティブ取引プラットフォームTrade.xyzは、セレブラスの契約を175ドルで開始した。当時、IPOの想定価格レンジは115-125ドルだったが、最終的な公開価格は185ドルに決定された。
Castle Labsのリポートによると、ナスダック市場の取引開始1時間前の時点でこの永久先物は340ドルで取引されていた。実際のセレブラス株の初値は350ドルで、極めて近い水準になったという。
とはいえ、この単一の事例だけで予測精度を証明できるわけではない。だが、同商品の支持派は、IPOが一般投資家に開放される前の実需シグナルを見極める上で手掛かりを提供すると主張している。

スペースXについては、Trade.xyzが5月18日に連動する永久先物の取引を開始した。この契約は足元で200ドル前後で取引されており、Trade.xyzはこれを基にスペースXの企業価値を約2兆3000億ドルと試算している。
関係者によると、スペースXは6月にも実施するIPOで評価額の目標を従来の2兆ドル超から1兆8000億ドル超に修正した。
こうした商品はもともと、注目を集める人工知能(AI)スタートアップへの投資機会を求める個人投資家向けの代替手段として始まった。最近では本格的な注目を集め、今年に入り、バイナンス、ビットゲット、OKXなどの大手取引所も同様の商品を相次いで投入した。
アンソロピックやオープンAIといったAIスタートアップの企業価値が急上昇する中、暗号資産を通じて未公開企業に投資する手法への関心はすでに高まっていた。ただ、セレブラス・システムズのIPO成功を受けて、スペースXに連動する契約への関心はさらに強まった。
こうした商品の魅力の一つは、投資機会の民主化という考え方にある。個人投資家は通常、大型IPOへの参加機会が限られており、個人向けに割り当てられる株数も一般的にごくわずかなためだ。

原題:SpaceX Hype Spurs Crypto Shadow Market for Pre-IPO Bets (1)(抜粋)
(最後に2つ目のチャートを追加して更新します)
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