(ブルームバーグ):野村ホールディングス(HD)の奥田健太郎社長は29日、機関投資家や個人投資家に投資商品・サービスを提供するインベストメント・マネジメント部門で企業の合併・買収(M&A)を検討していると明らかにした。同社は2025年に米資産運用会社を買収しており、効果を補完する狙いがある。
同日に投資家向け説明会「インベスター・デー」を開き、その後に奥田氏が記者会見した。奥田氏は豪マッコーリー・グループから昨年12月に買収した米資産運用会社に触れ、「そこに載せられるプロダクトを持った会社があれば、しっかり投資したい」と話した。
説明会に先立ち同社は28日、30年に向けた経営ビジョンで掲げていた自己資本利益率(ROE)と税前利益の目標水準を引き上げると発表した。ROEは10-12%以上、税前利益は7500億円超をそれぞれ新たな目標に設定した。
奥田氏は投資家向け説明会で「既存ビジネスの成長で十分実現できる水準だ」との認識を示した。同社株は29日、一時前日比4.6%高の1307.5円まで上昇した。
前期(26年3月期)の実績はROEが10.1%、税前利益は5398億円で、いずれも旧目標(ROE8-10%以上、税前利益5000億円超)を上回った。新目標は、グループ内外の企業との業務提携や資本効率の高いビジネスの強化、構造改革によるコスト削減などにより達成を目指す。

資本効率の向上が同社の課題となっている。前期決算では2年連続で最高益を更新したものの、株価純資産倍率(PBR)は業界2位の大和証券グループ本社を下回る。奥田氏は、収益性や資本効率を意識した事業ポートフォリオの見直しや資産の入れ替えを進めるとも述べた。
リテール分野に力を入れる。新目標では、富裕層を主な顧客とした国内リテールを担うウェルス・マネジメント部門で、顧客が持つ投資信託などのストック資産残高を37兆円から41兆円へと引き上げた。
奥田氏は「真のウェルス・マネジメントを実現させるためには、バンキング機能の強化と包括的な資産管理サービスの提供が不可欠だ」と述べた。「業界や業態の枠を超えた新たなアライアンスパートナーを近いうちにお話しできる」とも語った。
ホールセール部門では、経費率を80%未満、税前ROEを10%超に新たに設定した。インベストメント・マネジメント部門では、米資産運用会社などの貢献を見込む。奥田氏は「運用資産残高1兆ドルクラブの仲間入りを実現する」と話した。同部門の運用資産残高は26年3月期に137兆円で、新たな目標として180兆円規模を目指す。
(記者会見や投資家向け説明会でのコメントを加えて更新します)
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