日本企業が示した今期業績見通しは人工知能(AI)特需の有無で明暗が分かれた。好調が際立つAI設備投資関連銘柄への資金集中をさらに後押しする可能性がある。

ブルームバーグが集計した国内上場企業の2026年度純利益予想は前年度比7%増となった。増額分の約3兆3210億円の過半を占めるのが電気機器セクターで、増益率は56%に上る。「セクター横断的に半導体やデータセンター設備投資関連企業の決算は強かった」とUBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの小林千紗日本株ストラテジストは指摘する。

AI関連企業の利益は膨張を続けている。大和アセットマネジメントの建部和礼チーフ・ストラテジストによると、アナリストによるAI関連企業の26年度予想純利益が年初から4兆円増えた。これに対し、その他の東証株価指数(TOPIX)構成銘柄の増加は1兆円に満たない。

米モルガン・スタンレーのチーフ・アジア株式ストラテジスト、ジョナサン・ガーナー氏は、このような大きな差は世界的な傾向だとし、「日本やアジア市場では見たことがないほどの大きさで、驚異的だ」と述べた。業績リビジョンでは「消費関連が軒並み苦戦する一方、エネルギー、素材、半導体やテクノロジーのハードウエア、防衛などは上方修正されている」と指摘した。

中東情勢の悪化がマイナスに働く業種は減益を余儀なくされている。空運と陸運はそれぞれ33%、7%、食料品は1%の減益見込み。楽天投信投資顧問第二運用部の平川康彦部長は、ホルムズ海峡の閉鎖は6月末ごろまでを前提とする企業が多く、今のところそれほど供給制約が生じているわけではないとした上で、先行きのリスクはある程度残ると警戒を示す。

AI関連銘柄にも死角がないわけではない。投資家のポジションが積み上がっているため、ちょっとしたことで株価が急落するリスクがある。決算発表を機に株価が高値から最大で48%下落したフジクラが好例だ。

とはいえ、半導体やサーバー、データセンターへの空前絶後の投資で、目を見張るほど業績が急成長するAI設備投資関連株への選好は続きやすい。楽天投信の平川氏も「去年と異なり、設備投資が世界的に旺盛で工作機械なども含めて受注が堅調。その効果が広がってきている印象」と語った。AI頼みの一本足打法のような現状の株式市場に危うさを感じる市場関係者は多いが、業績面からの追い風は強まる一方だ。

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