米国は約3カ月続く戦闘の終結に向けたイランとの和平合意を巡り、協議の進展を強調している。ただ、新たな武力衝突が続くなか、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を巡る状況には、なお不透明感が強い。

25日夜から26日未明にかけても双方の攻撃が続いた。また米中央軍は、米軍が民間船舶の護衛に関与しているとの報道を否定しており、ホルムズ海峡の安全確保を巡る懸念は払拭されていない。

こうした衝突の数時間前にトランプ米大統領は、停戦延長とホルムズ海峡の再開に向けたイランとの交渉が進行中だと表明していた。ルビオ米国務長官は、合意の最終決着には数日かかる可能性が高いとの見方を示している。

26日の北海ブレント原油は上昇し、1バレル=100ドル近辺で推移。株式市場では軍事衝突よりも和平合意への期待感が意識され、S&P500種株価指数は過去最高値に接近した。

両国の協議で争点の一つとなっているのが、240億ドル(約3兆8200億円)に上るイランの凍結資産だ。タスニム通信によると、イランは合意署名時にその半分を解除するよう求めている。一方で米国内の対イラン強硬派は、この措置がイラン側への過度な譲歩につながると警戒している。

米軍は、ミサイル発射拠点や機雷敷設を試みていた船舶を標的に、イラン南部で自衛目的の攻撃を実施したと発表した。一方、イスラム革命防衛隊(IRGC)はイラン領空に侵入した米軍のF35戦闘機1機と複数のドローン(無人機)に向けて攻撃を行ったとしている。

イラン外務省は米軍の攻撃について、4月初めから続く停戦に違反すると非難した。また、最高指導者モジタバ・ハメネイ師は「この地域の国々や土地は、もはや米軍基地の盾にはならない」との声明を発表した。

ルビオ国務長官は、トランプ氏は「十分に良い内容の合意」でなければ受け入れず、場合によっては合意を見送る考えだと述べた。トランプ氏には、グラム上院議員ら共和党の対イラン強硬派から圧力もかかっている。グラム氏らは、イラン港湾への封鎖維持に加え、イラン軍をさらに弱体化させる追加攻撃を求めている。

トランプ氏は、イラン戦争を巡る米国内の支持低下との間で難しい対応を迫られている。ホルムズ海峡の事実上の封鎖でガソリンを含むエネルギー価格は急騰しており、世界的なインフレ圧力も強まっている。

サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールなどのアラブ諸国は、トランプ氏に外交路線の継続を求めている。敵対行為が再開すれば、停戦前と同様にイランによるドローンやミサイル攻撃を受けることを懸念しているためだ。

凍結資金やホルムズ海峡の問題に加え、親イラン武装組織ヒズボラとイスラエルが戦闘を続けるレバノン情勢も争点だ。イランはレバノンでも停戦を求めているが、イスラエルは行動の自由を認めるべきだと主張している。

ブルームバーグ・エコノミクスのアナリスト、ディナ・エスファンディアリー氏は「たとえ双方が合意に達できたとしても、それ自体かなり不確実だが、その後に安定した和平まで実現できる望みはほとんどない」と語った。

原題:US Touts Iran Deal Prospects Amid Fresh Tensions in Hormuz(抜粋)

--取材協力:John Bowker、Vivien Ngo、Anthony Capaccio.

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