米アクティビスト(物言う株主)のカナメ・キャピタルが、ドラッグストアチェーンのカワチ薬品に対し、河内伸二社長らの取締役解任を求める株主提案を行ったことが分かった。創業家と関連財団で株式の4割超を保有し、ガバナンス(企業統治)不全が放置されていると批判した。他社との経営統合も選択肢だと主張している。

複数の関係者が明らかにした。6月11日に開催を予定しているカワチ薬品の株主総会招集通知によると、株主1人から河内社長と社外取締役の渡辺林治氏の取締役解任を求める議案、取締役任期の2年から1年への即座の変更を求める議案の2件が提出された。招集通知に記されていなかった提案者がカナメだったことが今回判明した。会社側は両議案に反対を表明した。

6月下旬の株主総会ピークを前に、企業とアクティビストら機関投資家との間で攻防が本格化してきた。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたデータによると、日本でのアクティビスト・キャンペーンは昨年、データの残る2007年以降で最高となる176件に上った。今年は5月22日時点で104件と前年の同時期を25%上回っており、物言う株主からの圧力は一段と強まっている。

カナメのパートナーを務める槙野尚氏は、株主提案を行ったことを認めた上で、議決権の41.9%を創業家と関連財団が握っており「少数株主の利益最大化が軽んじられている」と主張。競争激化で再編機運が高まるドラッグストア業界において「将来の生き残り戦略を真剣に模索する時に来ている。新経営陣の経営判断で他社との経営統合を模索する道もある」と述べた。創業家支配を続けるのであれば、上場している意味はないとして非公開化すべきだとの考えも示した。

午後の取引でカワチ薬品の株価は一時前日比5.9%高の3305円まで上昇した。2024年8月以来の日中上昇率を付けた。

槙野氏は創業家が株式を手放した後、オペレーション改善などの改革を行えば、3年後にはカナメ想定の1株当たり純資産(BPS)7200円(26年3月期実績は5188円)をベースとした株価純資産倍率(PBR)で1.8倍程度に相当する1万2500円程度の株価に達することが可能だとの試算も示した。今後、一般株主に対し、株主提案への賛同を呼び掛けていくとした。カワチ薬品には4%弱出資しており、同社への株主提案は今回が初めてという。

カワチ薬品にコメントを求めたが、回答は得られていない。

カワチ薬品の株主総会の招集通知によると、創業家の娘婿である河内社長が02年に就任して以降、業績と株価が低迷し、ドラッグストア業界でシェアを低下させているほか、実兄が関与する企業との長年の取引に親族への利益供与の疑いがあるなどとカナメ側は指摘した。一方、会社側は、河内氏は必要不可欠な人材であり、関連当事者取引も独立社外役員の監督下で適切に運用していると反論している。

(5段落目に株価動向、6段落目に株価水準に関する情報を追加して記事を更新します)

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