(ブルームバーグ):中国の政府系ファンド(SWF)の中央匯金投資などで構成する「国家隊」が、国内株に連動する上場投資信託(ETF)の保有を上期末までに約9割削減する可能性があると、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)が分析した。
分析によると、国家隊は今年これまでに、保有残高の75%に当たる約1700億ドル(約27兆円)相当のETFを売却した。このうち約300億ドル分は4月以降の売却だった。
BIのアナリスト、レベッカ・シン氏は「完全売却には少なくとも8週間かかる可能性があるが、約9割の削減を見込んでいる。これにより、開示基準を下回る水準に保有が抑えられる見通しで、それが重要だ」と指摘。「多くのSWFは投資行動が明らかになることを好まず、上期報告の株主一覧に載りたくないと考えている」と述べた。
国家隊による相次ぐ売り注文は、市場の過熱感を抑えようとする動きが続いていることをを示している。こうした動きは本土株の指標であるCSI300指数の重しになった可能性もある。今年の上昇率は4%にとどまり、MSCIアジア太平洋指数の約18%を下回っている。一方、ハイテク株中心の指数は上昇が目立ち、創業板指数は今月、過去最高値を更新した。
国家隊は1-3月(第1四半期)に一部の国内主要ETFの保有比率を大きく引き下げ、四半期報告で開示義務が生じる20%の基準を下回る水準に縮小した。分析によると、CSI300指数は、国家隊が大きな持ち高を残す唯一の主要指数となっており、このため持ち高解消にはより長い時間がかかっている。半期報告では、保有上位10者が開示対象となる。
21日の取引でも国家隊関連のETFで売りが続き、華泰柏瑞滬深300ETFで資金流出が目立った。ただBIは、国家隊によるETF保有縮小によって追加売却の可能性が低下するため、中長期的には市場にとってプラス材料になり得るとみている。
一方で、国家隊の売却の影響は他の投資主体による買いで相殺されている。個人投資家による株式口座開設や、ノンバンク金融機関への預金の伸び加速が相場を支えている。ブルームバーグの集計によると、海外投資家も先月は中国株を買い越した。
JPモルガン・チェースの中国株ストラテジスト、エリン・ジャン氏は「ETF解約が進んでいるにもかかわらず、市場全体の指標は引き続き非常に堅調で、流動性への大きな影響も見られない」と指摘。「利益確定の動きが一部にあるものの、前向きな兆候だ。底堅い市場を支えているのは自律的で持続性のある買いであることを示している」と述べた。
原題:China’s National Team Seen Reducing ETF Stakes 90% in First Half(抜粋)
--取材協力:Jack Wang.
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