(ブルームバーグ):円トレーダーは、米英市場の休場で流動性が低下する週明け25日の介入リスクを警戒している。
注視しているのは市場参加者が減少する東京時間終了後で、為替相場の値動きが増幅される可能性がある。22日の円相場は対ドルで159円近辺と、4月30日以来の安値圏にある。
トレーダーが警戒するのには理由がある。日本政府は、ゴールデンウイーク期間中で市場参加者が少ない4月30日に介入に踏み切り、5月6日までに最大10兆円規模の円買い介入を実施したと推定されている。
TJMヨーロッパの為替営業・取引部門マネジングディレクター、ニール・ジョーンズ氏は「円は再び全面安の様相となっている」と指摘。「財務省は25日の東京市場終了にかけてドル・円を売ることを検討してもよいだろう」と述べた。
円は主要10通貨(G10)のうち、過去3カ月間のパフォーマンスが特に低迷している通貨の一つだ。中東戦争を背景とした原油価格の上昇がインフレ懸念を高めていることが背景にある。さらに、高市早苗首相が補正予算の編成を求めたことで、財政支出拡大への懸念も円の重しになっている。
シンガポールを拠点とするエリクセンズ・キャピタルのダミアン・ロー最高投資責任者(CIO)は「流動性が薄い分、介入の可能性は高まっている」と指摘し、「本格的なリスクとして意識されるのは、ドル・円が159円75銭を超えた場合だろう」と話す。
片山さつき財務相は今週、円相場を支えるため必要に応じて市場介入を行う姿勢を改めて示した。ベッセント米財務長官も過度な為替変動は望ましくないとの認識を示し、日本による最近の為替介入を米国が暗黙に容認していることを示唆した。
ソニーフィナンシャルグループの石川久美子シニアアナリストは「祝日で市場関係者が非常に少ない時に介入が行われる可能性は十分ある」と語った上で、「ドル・円の水準や円安が進むスピードなどを考慮して財務省は動くだろう」との見方を示した。
ただ、米国の金利高止まりでドルが買われやすい状況にあることから、日本銀行が政策金利を引き上げない限り、為替介入の効果は限られる可能性がある。エリクセンズ・キャピタルのロー氏は、介入はドルの押し目買いの機会になると指摘。「日銀がよりタカ派的な姿勢を打ち出し、より積極的な利上げ経路を示唆する方がはるかに効果的だ」と話した。
ベッセント財務長官は日銀の植田和男総裁と会談した後、日本は優れた金融政策を実現すると確信していると語った。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、日銀が6月の金融政策決定会合で利上げを行う確率が83%織り込まれている。
RBCブルーベイ・アセット・マネジメントは今週、円のロング(買い)ポジションを積み増した。円が再び160円方向に下落する中、介入の可能性や日銀の利上げ観測を踏まえると、円の水準は魅力的と判断している。
--取材協力:ジョン・チェン.
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