新興企業や未公開企業に直接貸し付けるプライベートクレジットファンドの運用主体が、かつては考えられなかった手法を多用しつつある。問題のある資産を処分する一方、ディスカウントローン(額面割れローン)債権を探し、ローンの売買を繰り返すというものだ。

ノンバンク融資を行うプライベートクレジットファンドは、これまで驚異的なペースで成長を続けてきたが、人工知能(AI)で経営環境が激変するソフトウエア会社へのエクスポージャーなどが不安視され、かつてないストレスにさらされている。

事情に詳しい関係者によると、事業開発会社(BDC)の形態で運営される幾つものプライベートクレジットファンドは、ソフトウエア関連のエクスポージャー縮小に動いている。その一方で、これまでほとんど取引してこなかったディスカウントローン債権のポジションを積み上げ、逆方向にかじを切るBDCも現れた。

非公開情報を理由に複数の関係者が匿名で語ったところでは、アポロ・グローバル・マネジメントやKKRがここ数週間、市場で活発に動いており、ダイアミター・キャピタル・パートナーズのように機を見るに敏感なプレーヤーも参入し、売り手が現れ次第、資産を買いあさる状況という。

こうした動きは、1兆8000億ドル(約286兆円)規模のプライベートクレジット業界の環境が急速に変化する様子を浮き彫りにする。

多くの運用主体はつい最近まで、限定されたグループによる融資や価格の安定性が、ダイレクトレンディング(直接貸し付け)を公開市場と差別化する要素だと主張し、それらが脅かされるという理由から、貸付債権の新たな投資家への売却をほぼタブー視してきた。

しかし、ファンドに解約請求が殺到し、信用枠の担保として差し入れたローン債権の評価を銀行が引き下げる状況で、長年定着してきた考え方を見直す動きも出始めた。

ダイアミターの共同創業者スコット・グッドウィン氏は先週、「今後数年はセカンダリー取引について、いろいろと耳にするようになるだろう」と発言。ダイアミターは過去2カ月だけで15件の取引を完了し、セカンダリー・プライベートクレジット市場で1500億ドルから2000億ドル規模の売却を今後想定しているという。

アポロとKKRの担当者は、自社のローン取引活動についてコメントを控えた。

原題:Private Credit’s Unthinkable Becomes Reality as Trading Revs Up(抜粋)

--取材協力:Reshmi Basu、Rene Ismail.

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