(ブルームバーグ):米化粧品大手エスティローダーとスペインのファッション・フレグランス企業プーチ・ブランズとの合併協議が決裂した。実現すれば数十億ドル規模となる見通しだったが、合併に伴う契約条件を巡るメーキャップアーティスト、シャーロット・ティルブリー氏の要求が一因で頓挫した。事情に詳しい関係者が明らかにした。
両社は3月以降、事業統合に向けて協議していた。21日にそれぞれ発表した資料で協議の終了を明らかにしたが、理由は示さなかった。
公に発言する権限がないとして、匿名を条件に語った関係者によると、2020年に自身の名を冠したブランドをプーチに売却したティルブリー氏が有する、支配権の変更に関する条件が争点の一つとなった。ただ、交渉を頓挫させた要因はそれだけではなかったという。
両社とも発表資料以外のコメントを控えた。ティルブリー氏の会社にコメントを求めたが、直ちに返答はなかった。
投資家はこのニュースを好感した。エスティローダー株は通常取引終了後の時間外取引で一時16%上昇。プーチ買収協議の公表以降、株価は下落していた。
ウォール街のアナリストは、この統合案に懐疑的な見方を示していた。既に数千人規模の人員削減を伴う立て直しを進めるエスティローダーに、別ブランドを新たに統合する力があるのか疑問視していた。
21日の終値に基づく両社の時価総額は合わせて約390億ドル(約6兆2000億円)、25年の年間売上高は約200億ドルとなる。
プーチとの合併協議が決裂したことで、エスティローダーのステファン・ド・ラ・ファヴェリー最高経営責任者(CEO)は、3年連続で年間売上高が減少している同社の再建に専念することになる。
同CEOは今回の発表資料で「当社の素晴らしいブランド、優秀なチーム、独立企業としての強みに対する自信を改めて表明する」と述べた。
同社の再建計画には、アマゾンや、中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」内のショッピング機能「TikTokショップ」など、成長の速い販売チャンネルへのシフトも含まれる。若年層の消費者に向けて、低価格帯商品の販売も進めてきた。
同社は現在、世界の化粧品業界でロレアルに次ぐ大手だが、株価は年初来で約25%下落している。
原題:Estee Lauder-Puig Talks Collapse After Charlotte Tilbury Tension(抜粋)
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