パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のダニエル・アイバシン最高投資責任者(CIO)は、世界的な利回り急上昇が金融市場全体の混乱を招く恐れがある中、米連邦準備制度をはじめとする主要中央銀行は、インフレ期待がさらに上昇した場合、対応を迫られるとの見方を示した。

2月下旬の米国によるイラン攻撃後に原油価格が上昇する中、米国債市場のインフレ期待を示すブレークイーブンレートは最近、3年超ぶりの高水準に上昇した。これを受け、世界の債券市場で売りが強まり、30年物米国債利回りは今週、2007年以来の高水準を付けた。

Photographer: Kyle Grillot/Bloomberg

アイバシン氏はインタビューで、長期のインフレ期待が「大きく不安定化すれば、景気に弱さが見られても金融引き締めが行われるだろう」と指摘。金利上昇が株式市場やクレジット市場への圧力を強めることになり、「市場にとってペイントレード(痛みを伴う取引)だ」と述べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の4月会合では、短期のインフレ見通しに上振れリスクがある一方、「長期のインフレ期待は引き続き安定している」との認識が示された。

ただ、米国債の代表的なインフレ指標は23年3月の水準付近にある。当時、連邦準備制度は新型コロナウイルス禍後のインフレ加速や、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーショックに対応するため利上げを続けていた。米10年物ブレークイーブンレートは年初の約2.2%から2.5%超へ上昇した。

アイバシン氏は金融引き締めについて「インフレ期待を抑え込みたいという意思を市場は受け取ることになり、長期金利の安定につながる可能性がある」と語った。一方で、市場が現在織り込む引き締め幅は「おそらく過大だ」と指摘した。

ピムコは金利リスクについて慎重な姿勢を維持している。「双方の合意が必要となる地政学的状況」の不透明感を反映している。

最終的には、原油価格とインフレ期待を押し上げている現在の地政学的状況がどの程度長引くかが焦点になる。

アイバシン氏は「過去のエネルギーショックは、ほぼ例外なくリセッション(景気後退)につながってきた」と指摘。「この状況が続く、あるいはさらに悪化すれば、市場の景気後退確率は高まる。それは株安、信用スプレッド拡大、債券利回り低下につながる」と述べた。

原題:Pimco’s Ivascyn Says Fed Will Act on Inflation as Yields Spike(抜粋)

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