(ブルームバーグ):日本の国債利回りが急騰している。イラン情勢を背景にインフレ加速への警戒が強まり、世界的に債券が売られる中で日本の金利上昇が際立っている。
18日の債券市場で30年債利回りは一時前週末比20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い4.2%に上昇し、1999年の発行開始以来の最高水準を更新。10年債利回りも一時10bp高い2.8%に達し、20年債も11bp上昇し、ともに96年以来の高水準を付けた。40年債も午後に13bp上昇した。
世界的にも国債利回りは上昇し、米30年債利回りは2007年以来の高水準。ドイツ30年債利回りは15年ぶりの高水準を付けた。
こうした中でも日本国債の金利上昇(価格下落)は顕著で、ブルームバーグ・グローバル・ジャパン・トータルリターン指数は前週に1.4%低下した。週間の低下率としては昨年4月以来の大きさとなった。

日米欧だけでなく、オーストラリアやニュージーランドなど他市場にも国債相場の低迷は波及。18日からフランスで始まる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でも主な議題となりそうだ。片山さつき財務相は15日、世界的な金利上昇は「相乗効果的」に発生しているとの見解を示した上で、G7で議論されると述べていた。
18日の取引では、米10年債利回りは一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して4.63%と2025年2月以来の水準。ただ、欧州時間帯に入って上昇幅は縮小している。米30年債利回りは引き続き5%を上回っている。ドイツ30年債利回りは3bp上昇して3.71%。
日本リスク
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「グローバルに金利が大きく上昇しており、インフレや財政拡張懸念で売られた先週末の地合いを変える材料は全く見当たらない」と語る。
世界最大の上場ヘッジファンド、マン・グループのチーフマーケットストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏はブルームバーグテレビジョンで、日本の金利上昇で国内投資家の資金が日本市場に回帰し、他国の国債市場にも影響が及ぶ可能性があると指摘。「その結果、とりわけ米国債など海外市場の利回りを押し上げることになるだろう」と語った。

中東情勢を背景にエネルギー価格の高騰が収まらない中、高市早苗首相は18日の政府与党連絡会議で、補正予算の編成を含め検討するよう片山財務相に指示したと明らかにした。規模とともに新規国債の追加発行が必要かどうかが今後の焦点となる。
明治安田アセットマネジメント債券運用部の大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、金利上昇を抑えるには財政と金融の両面で政府からの明確な情報発信が必要だと指摘。補正予算編成への警戒感に加え、日本銀行が利上げに慎重との見方から、インフレ対応が後手に回るビハインド・ザ・カーブ懸念が強まり、長期金利は3%到達後も上昇が止まらない可能性があるとみている。
財務省が18日に実施した5年利付国債入札は、平均落札利回りが入札が開始された2000年以降で初めて2%を超えた一方で、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が3.22倍と過去12カ月平均(3.47倍)を下回った。利回り水準の上昇にもかかわらず、先行きへの警戒感が需要を抑えた格好だ。
ブルームバーグ・ストラテジストの見方:
5年国債入札に対する需要は過去12カ月平均を下回り、最低落札価格は市場予想を下回った。利回りが今世紀初めて2%台に達したにもかかわらず、日本の投資家が積極的に買いを入れる準備ができていないことをいずれも示している。
高市首相が18日に補正予算の編成を求めたことは、債券市場で投資家心理に決してプラスにはならなかった。落札会社の調査で58%が不明の分類だったことも懸念材料だ。
-MLIVストラテジスト、マーク・クランフィールド、関連記事はMLIV
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル金利ポートフォリオマネジャー、キム・クロフォード氏にとっては、現在の利回り水準でも、まだ買いのタイミングではない。
同氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、イラン戦争が「国債利回りの下限を構造的に押し上げた」と指摘した。
(情報を加えて更新します)
--取材協力:Ruth Carson、ジョン・チェン、鈴木克依.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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