米銀ゴールドマン・サックス・グループは、プライベート市場ファンド向け融資に関連する大規模なリスク移転(SRT)取引について、投資家の関心を探っている。

ゴールドマンは、サブスクリプションラインで構成される融資ポートフォリオに連動したリスク移転取引への需要を見極めている。事情に詳しい関係者が非公開情報だとして、匿名を条件に明らかにした。対象ポートフォリオの規模は数十億ドルに上り、取引の最終条件について投資家との協議が進められているという。

ゴールドマンの広報担当者はコメントを控えた。

同行はSRTの主要な発行体で、これまでもプライベートファンド関連のリスク圧縮に同手法を活用してきた。バンク・オブ・アメリカ(BofA)やナットウエスト・グループなども、同様のリスク移転取引をこれまでに実施あるいは検討している。

米格付け会社ムーディーズ・レーティングスが先月公表したリポートによると、ファンドファイナンス市場は昨年1兆ドル(約159兆円)を突破した。資産運用会社によるサブスクリプションラインの活用拡大が背景にある。こうした融資枠は通常、プライベートエクイティー(PE)やプライベートクレジット運用会社向けに提供され、流動性管理やリターン向上に利用される。ファンド投資家による未払い出資約束を担保とするこの融資は、案件成立の迅速化や、投資回収の遅れに伴うコストの穴埋めにも役立つ。

一方、プライベートクレジット市場への信頼感は最近揺らいでいる。一部ノンバンク融資会社の経営破綻に加え、借り手企業が人工知能(AI)の影響を受けやすいソフトウエア企業に偏っているとの懸念が背景にある。個人投資家は一部のプライベートクレジット商品から資金を引き揚げており、運用会社は相次いで解約制限を導入している。

これとは別に、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)も上場プライベートクレジットファンド向けに実行した約20億ドルの融資エクスポージャーの削減を図るため、投資家と協議していると、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は今週報じた。

SRTは、欧州や北米の銀行が企業向け融資に伴うリスクを圧縮する手段として広く活用されている。年金運用会社やヘッジファンドからの旺盛な需要を背景に、発行は過去最高のペースで進んでいる。

原題:Goldman Floats Risk Transfer Deal Tied to Private Market Loans(抜粋)

--取材協力:Rene Ismail、Scott Carpenter.

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