(ブルームバーグ):ニデックは13日、自社やグループ会社で一部の製品について品質に関する不適切行為の疑いが判明したと発表した。外部の専門家で構成される調査委員会を設置して調査に入る。
ニデックの発表によると、品質に関する不適切行為は昨年発覚した不正会計を受けた内部管理体制の改善の一環として進めてきた点検作業の過程で発覚。家電や車載向けなど複数の生産拠点で顧客に無断で行われた部材、工程、設計の変更などの疑いが判明した。
都内で会見した岸田光哉社長は不適切行為は4月に入って報告が急増し、現時点で1000件以上確認され、事業領域では家電関連、中でもコストダウンに関わる内容が特に多いと明らかにした。数は少ないが試験・検査データに関する不適切な取り扱いや、生産地に関する不適切な表記のケースもあったという。
岸田氏は業績プレッシャーなど、不正会計の際と同様の問題が根元にあったのではないかとの見方も示した。一方、現時点では直ちに製品機能・安全性に影響する事象は確認されておらず、調査委による調査は8月末をめどに完了する予定としている。
岸田氏は今後の対応について顧客に対し誠実かつ適切に説明や対応を進めるとした上で、「必ず正しくやる企業に生まれ変わるために改善計画を更新し、全職員が一丸となって着実に改革を進めていく」と述べた。

ニデックでは不正会計問題を受けて、創業者で名誉会長だった永守重信氏や複数の経営幹部らが相次いで辞任した。続投を決めた岸田光哉社長の下で再建を目指していたニデックにとって新たな試練となる。
ニデックは昨年、不正会計問題を受けて東京証券取引所から特別注意銘柄に指定され、上場廃止となる可能性も出るなど厳しい状況に置かれている。岸田氏は上場維持を目指す方針を示しており、新しく浮上した品質関連の問題への対応も含めて従来の予定通り、10月までに特別注意銘柄の指定解除に必要な内部管理体制確認書の提出を目指す考えを改めて示した。
品質不正の疑いについては、日本経済新聞が12日に報道。ニデックは13日に不適切行為の疑いが判明していることは事実と認めていた。これを受け、同日の東京株式市場ではニデック株が一時、ストップ安水準に当たる前日比18%(500円)安の2329円まで売られた。終値は同14%安の2435円だった。
臨時株主総会も
ニデックは6月18日開催予定の定時株主総会に提出する取締役候補を公表。13人の取締役による新体制では執行からは岸田氏を含めて3人だけで残りは社外取締役で構成される。現在の取締役は岸田社長以外は社外も含めて大部分が退任の方向で大幅な刷新となる。
また、不正会計問題の影響で定時株主総会で前期(2026年3月期)決算に関する報告ができない状況となったことから、後日に別途、臨時株主総会を開く方針という。
ニデックは4月、不適切会計問題の調査のために設置した第三者委員会から最終調査報告書を受けたと発表。2025年度第1四半期までの純利益へのマイナス影響額は累計で1607億円と従来発表していた数字から増えた。
同社はまた、今後の経営再建や事業の方向性など中長期的な見通しについても明らかにした。次期中期経営計画では事業再編やポートフォリオ見直しなどに注力する方針を示し、IT基盤インフラに今後5年で累計1000億円を投資する考えを示した。
従来の部品供給に加えてソリューション事業にも力を入れるという。また、過去の決算の訂正作業が完了すれば早期に復配を目指すとも述べた。
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