(ブルームバーグ):13日の日本市場は、原油価格の高止まりでインフレへの懸念が強まり、債券が下落。株式は商社や金融株中心に上昇し、円は対ドルで157円台後半で推移した。
米国とイランの戦争終結に向けた交渉が進まず、停戦合意のめどが立っていない。ホルムズ海峡の長期閉鎖が意識され、12日の米ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は前日比4.2%高の1バレル=102.18ドルで終了した。アジア時間13日は小動き。また、4月の米国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.8%上昇と、2023年以来の大きな伸びとなった。
原油高を背景に世界の債券が売られ、米国の10年国債利回りは4.46%程度と、約5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。英国債はスターマー政権の先行き不透明感も加わり、一時5.81%と1998年以来の高水準になった。英国の与党・労働党内では先週の地方選惨敗を受けて、首相への退陣要求が広がっている。政権交代した場合、支持率回復のため財政支出が拡大、利回りに上昇圧力がかかる可能性がある。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、米英の長期金利上昇に加え、市場のインフレ期待を示すブレークイーブンインフレ率(BEI)など一部の指標によって日本のインフレ加速が意識され始めたと指摘。債券は「買いにくさがある」と語った。20年国債利回りは一時3.495%と、1997年以来の高水準を更新した。
債券
債券は下落。インフレへの警戒から10年債や20年債、30年債の利回りが一時5bp以上上昇した。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、あすの30年債入札を意識して超長期金利が上昇しやすいと話した。来日したベッセント米財務長官が日本銀行に対して明確な利上げ要請をしなかったことも、金融政策がインフレに対して後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念につながった可能性があると言う。ただ、あすの米中首脳会談でイラン情勢が好転すれば「金利の上昇は止まる」と読む。
新発国債利回り(午後3時時点)

株式
株式は上昇し、日経平均は最高値を更新した。米CPIを受けたインフレ懸念を背景に安く始まった後、バリュー(割安)株が先導してプラスに転じた。
金利上昇を受けて銀行や保険などの金融株が買われ、原油価格の高止まりを追い風に商社株も高かった。日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は3日低下した。
決算発表を受けた銘柄選別が顕著だった。今期営業利益計画が市場予想を上回ったオリンパスが大幅高。一方、営業利益計画が予想を下回ったKOKUSAI ELECTRICは急落した。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジストは、金利上昇でグロース株が売られやすい半面、銀行などのバリュー株には追い風と述べた。「半導体需要は中長期的に比較的強い状態が続く」ものの、株価のバリュエーションが高く、脆弱(ぜいじゃく)な側面もあるとみる。
為替
円相場は対ドルで157円台後半で推移した。原油価格の上昇を受けてドル買いがやや優勢だった。
片山さつき財務相が衆院財務金融委員会での答弁で、ベッセント米財務長官が為替、金融市場への対応で日米が緊密に協力していることを明確に表明したと述べたことから、157円台半ばまで円が買われる場面があった。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、きのうの円相場が直前の水準から1円近く急伸する場面があったことから、157円後半になると為替介入を意識した神経質な動きになると指摘した。
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストはリポートで、原油高と米金利上昇が続いてドル・円が158円を抜けると、「再び介入が実施されるリスクは高い」との見方を示した。ただ、実弾介入があったとしても、投資家の押し目買い水準となり、155円割れは想定しにくいとみている。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:松山かの子.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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