(ブルームバーグ):企業の好業績に支えられ約1カ月続いた日本株の上昇局面が試練を迎えている。決算発表が人工知能(AI)関連の好調銘柄から、イラン戦争の影響を受けた企業へと移るためだ。
TOPIX100指数の構成銘柄の半数以上がこれまでに決算を発表し、そのうち東京エレクトロンを含む約64%の企業の利益が市場予想を上回った。一方、ホンダや三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめとする3大銀行グループなど、AIとの関連が相対的に薄い企業の発表はこれからだ。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、半導体関連の業績ガイダンスが強い半面、中東情勢や原油高の影響を受けやすいセクターについては「やや弱めという印象だ」と話す。
決算が上振れした銘柄には、データセンター建設や半導体製造装置など、AI関連分野へ事業を拡大した企業が含まれる。テクノロジー株の上昇でハイテク株の比重が高い日経平均株価は今月、過去最高値を更新し、欧米株を上回るパフォーマンスを見せる。より広範な市場の動きを映す東証株価指数(TOPIX)で日経平均を割ったNT倍率はここ1カ月、過去最高水準での推移が続く。
スイスのオンライン銀行、スイスクオートでシニアアナリストを務めるイペック・オズカルデスカヤ氏は、テック株と非テック銘柄との格差は驚くほど大きいと指摘。投資先の偏りで相場はもろく、急落リスクも高まっているとみる。
市場は特に自動車セクターの業績見通しに警戒感を強めている。イラン戦争開始以降、同セクターではアナリストによる利益予想の下方修正が上方修正を上回る。
トヨタ自動車は先週、中東情勢の混乱に伴うコスト上昇などで今期(2027年3月期)の営業利益が6700億円押し下げられる見通しだと発表した。ホンダは前期(26年3月期)に4000億円規模の営業赤字となったと日本経済新聞が報じた。ホンダは14日に決算を発表する予定だ。
もっとも、AI関連株への底堅い需要や同分野での設備投資の強さが続けば、日本株はさらに上昇する可能性がある。ブルームバーグのデータによると、日経平均の12カ月先の予想1株利益(EPS)は約28%増加する見通しだ。
日本株ラリーが持続するかどうかを占う上で鍵を握るのは銀行決算だ。銀行セクターはTOPIX全体に占める比率が11%に上る。イラン戦争開始以降、日本銀行の利上げ見通しに不透明感が増しており、TOPIX銀行業指数は下落している。
三井住友DSの市川氏は、良好な業績と前向きなガイダンスが示されれば物色の対象が広がる可能性があるとし、銀行の決算が重要になるとの見方を示した。
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