(ブルームバーグ):イラン戦争により燃料や石油化学製品の供給不安が高まる中、石油元売り大手の出光興産は12日、国内向け供給を「最優先」とする方針を明らかにした。
出光は「国内に対する燃料油・石油化学製品などの安定供給を最優先とする」基本方針を示した。中東に限らず、あらゆる地域から原油やナフサを調達し、供給の安定化を図る。コストの上昇分については価格転嫁を進めるとした。
中東情勢の緊迫化を受け、石油や液化天然ガス(LNG)輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖され、世界的にエネルギー危機が生じている。韓国など一部の国では国内供給を優先するために石油製品の輸出を制限する措置を取っており、事態が長期化すれば日本でも同様の対応を求める声が高まる可能性がある。
出光は12日に発表した決算資料で、今期(2027年3月期)の輸出数量見通しを示さず、「中東情勢について事業影響を一定程度見通すことが可能となった時点で開示」する予定だとした。
原油の95%超を中東に依存する日本は、政府が3月に開始した原油備蓄放出に続き、今月から第2弾を実施している。政府は石油精製事業者に対し、放出した国家備蓄を国内の安定供給に資する形で活用するよう要請する一方、余剰となった石油製品の輸出は容認する姿勢を示している。
赤沢亮正経産相は3月の会見で、放出した原油から生産された石油製品について「もし需要が十分ないというようなことであれば、外国に出ていくことについても、制度としては否定されるものではない、禁止がされているようなものではない」との考えを示した。
原油は精製するとガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油といった石油製品が同時に生産され、「連産品」と呼ばれる。製油所の設備構成や原油の種類によって、生産割合は一定の調整が可能なものの、特定の製品だけを大幅に増減させるのは難しい。そのため日本は、国内生産で不足するナフサなどを輸入する一方、余剰な軽油やジェット燃料などを輸出してきた。
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