消費者物価の急騰が議会での共和党優位を揺るがしかねない中、トランプ米大統領は牛肉やガソリン価格に狙いを定めた新たな生活費抑制策を打ち出した。

ホワイトハウス高官によると、トランプ氏は11日、牛肉価格の押し下げを目指す大統領令に署名する見通しだった。また、ガソリン価格上昇に対応するため、ガソリン税の一時停止にも支持を表明した。

12日には消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。イラン戦争をきっかけとする物価高騰が製造業や農業に波及しつつある中、エコノミストの間ではCPIが大幅に上昇するとの見方が多い。

トランプ氏は11日、ホワイトハウスで記者団に対し、ガソリン1ガロン当たり18.4セントの連邦税について「適切な時期が来るまで」停止を目指す考えを示した。ただ、その減税分が消費者価格にどの程度反映されるかは不透明だ。

牛肉に関する大統領令は、輸入拡大や飼育頭数回復を支援することで、国内の短期的な供給不足に対応する狙いがある。高官は公表前を理由に匿名を条件に明らかにした。

米国では牛の飼育数が75年ぶりの低水準に落ち込み、消費者価格を過去最高水準に押し上げる一方、食肉加工業者の利幅も圧迫している。牛肉価格は食品インフレの主因の一つとなっており、11月の中間選挙を前に政権にとって政治的な火種となっている。

トランプ氏は値上がりについて、特に外国資本の食肉加工会社が一因だと批判している。一方、加工業者は損失を抱えているものの、司法省は反トラスト法違反の可能性について業界の調査を進めている。

牛肉については、一定量を超える輸入に高い税率を課す関税割当制度をすべての輸出国に対して停止する方針だと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として報じた。実施されれば、低関税で米国内に流入する肉が増える見通しだ。

一方、ガソリン税の停止には議会の承認が必要で、実現は不透明だ。ワシントンのコンサルティング会社ラピダン・エナジー・グループは、この措置が成立する確率を25%と試算している。

共和党のホーリー上院議員は、ガソリン税を停止する法案を提出する意向を示した。全米平均のガソリン価格はイラン戦争勃発以降、50%以上上昇し、1ガロン=4.52ドルに達した。

原題:Trump Takes Aim at Beef, Fuel Prices as Inflation Risks Mount(抜粋)

--取材協力:Jennifer A Dlouhy、Ilena Peng、Caitlin Reilly、Will Kubzansky、Kate Sullivan、Megan Scully.

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