(ブルームバーグ):日本銀行が4月27、28日に開いた金融政策決定会合で、中東情勢が不透明な中でも、次回の6月会合を含めて早期利上げが必要との意見が政策委員から相次いだ。「主な意見」を12日に公表した。
ある委員は、今後中東情勢による国内経済への影響がある程度見えてくるとし、「仮に中東情勢の帰すうが不透明な状況が続いたとしても、次回以降の決定会合での利上げの判断は十分にあり得る」との見解を示した。

別の委員は、現在の基調的物価上昇率からすれば慌てる必要はないとしつつ、「景気減速の明らかな兆候がない限り、早期に利上げに進むべきである」とした。今後の物価上昇に伴い実質金利が低下した場合は、「利上げを通じて金利の正常化をより進めていくことが適切だ」との意見も出た。
会合では、政策金利を0.75%程度に据え置くことを賛成多数で決めた。一方、植田和男総裁下で初めて3人の審議委員が政策維持に反対し、1.0%程度への利上げを提案した。原油高を背景に2026年度の物価見通しも大幅に上方修正しており、主な意見では、中東情勢を受けても政策正常化路線に変化はないことが改めて示された。
シグナル
物価の上振れリスクが高まる場合は、「利上げペースをちゅうちょなく加速する必要がある」とある委員は指摘。景気下振れリスクの主因は物価上昇だとし、「まずは、物価の安定に努めて経済の下振れを和らげることが、物価の番人としての日本銀行の使命だ」と主張する委員もいた。
会合後の4月30日以降、政府は円安進行を受けて円買い介入を実施したとみられており、総額は10兆円規模と推計されている。輸入物価の上昇をもたらす円安回避に向けて政府が市場介入に踏み切る中、金利スワップ市場が織り込む6月会合での利上げ確率は足元で77%程度まで上昇している。
一方、4月会合では「足元、インフレ抑制を優先した利上げは、雇用・生産などへの悪影響をもたらす可能性が高い」との指摘があった。その委員は、「中東情勢の帰結が不透明であることを踏まえると、金融政策は現状維持が最善だ」と述べた。
また、利上げをする前に日銀は必ずシグナルを出すと受け止められているとすれば、「好ましくない」とし、「コミュニケーションのあり方を工夫していく必要がある」との認識も示された。
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