ニューヨーク原油先物は大幅続伸で終えた。トランプ米大統領が最新停戦案に対するイランの回答を拒絶したことから、ホルムズ海峡の閉鎖長期化が懸念されている。

トランプ氏はイランが降伏するのは「単に時間の問題だ」と述べた。前日には停戦合意が「大きな生命維持装置につながれている」として、危機的な状況にあるとの認識を示した。

4月上旬に始まった停戦は、船舶への攻撃を含め散発的に緊張が高まった後も維持されている。ホルムズ海峡の実質封鎖は世界の原油、天然ガス、石油製品の流通を著しく混乱させ、インフレ懸念を再燃させている。

動画:ホワイトハウスの大統領執務室で記者団に話すトランプ米大統領

事情に詳しい関係者によると、イランは先週の米和平案に対し、ホルムズ海峡の通航に一定の影響力を維持する一方で、米国による海上封鎖の解除と制裁緩和を要求した。機密性の高い情報であるとして、関係者は匿名を条件に語った。

A/Sグローバル・リスク・マネジメントのチーフアナリスト、アルネ・ローマン・ラスムセン氏は「今回の交渉決裂で、ホルムズ海峡の閉鎖が長期化するリスクが高まった。供給不足の緩和に寄与してきた一時的要因が消えれば、現物市場は再び逼迫(ひっぱく)するだろう」と述べた。

イランの主要輸出ターミナルからの原油出荷は、ここ数日ほぼ停止している状況が衛星画像からうかがえる。今回の戦争開始後では最も長い停滞の兆候だ。原油輸出はイランにとって極めて重要な収入源であり、世界のエネルギー供給において依然重要な役割を担っている。

世界的な供給余力の縮小は、エネルギーコストの上昇につながっている。米国では戦争開始後にガソリン価格が跳ね上がり、中間選挙を控えたトランプ氏と共和党に政治的圧力が強まっている。米国は先週、過去最高ペースで戦略石油備蓄(SPR)を放出した。

eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏は「消費者はエネルギーコスト上昇を何とか吸収したいが、それは容易ではない」と指摘。その上で「言い換えれば、インフレ圧力は何もガソリンスタンドだけでなく、家計にかかわる全ての分野で顕在化している」と述べた。

戦争終結の兆しが見えないものの、製油業者は購入を抑制しており、市場の強さを示す指標はここ数日で低下している。ブレント原油における直近2限月の価格差であるプロンプトスプレッドは、4ドル近いバックワーデーションとなっている。4月上旬は10ドルに近かった。

米エネルギー情報局(EIA)は2027年の米原油生産が日量1410万バレルに急増するとの予想を明らかにした。一部の国内掘削業者は価格高を好機ととらえ、掘削活動を強化している。EIAの予想では、今年の世界需要はわずか日量20万バレルの伸びにとどまる見通し。従来予想は120万バレルだった。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比4.11ドル(4.2%)高い1バレル=102.18ドルで終了。北海ブレント先物7月限は同3.56ドル(3.4%)上昇して107.77ドルで終えた。

原題:Oil Extends Gain as US-Iran Ceasefire Remains Elusive(抜粋)

--取材協力:Charles Gorrivan.

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