(ブルームバーグ):米マイクロソフトは2年前、ケニアに新たなデータセンターを建設すると発表した。この施設はグリーンエネルギーで稼働し、電力容量は1ギガワットに拡大する計画で、アフリカ全体を上回る規模とされた。同社とパートナー企業は当初10億ドル(約1570億円)の投資を約束し、ケニアのルト大統領はこれを「画期的な投資」と称賛していた。
アフリカに対する影響力は、米国と中国のハイテク冷戦における重要な争点となっている。米国は長年にわたり主導的立場にあったが、中国も近年、同地域に数十億ドルを投じている。ケニア事業におけるマイクロソフトの主要パートナーであるアブダビの人工知能(AI)企業G42は、その数カ月前に中国との関係を切ると表明しており、このプロジェクトは米国側にとって決定的な勝利とみられていた。
しかし現在、計画は外交的な失敗の様相を帯びている。今月あたりには最初の100メガワットを稼働させると約束していたにもかかわらず施設は開所しておらず、ルト大統領はナイロビでの行事で、この施設に必要な電力規模を最近になって初めて把握したかのような発言をした。ルト氏は「データセンターに電力を供給するには、国の半分を停電させる必要があるだろう」と述べた。
いつ何が変わったのかは不明だが、政府が関与する大規模AIインフラの難しさが浮き彫りになっている。ブルームバーグは先週末、企業側が支払いや容量保証を求めたものの政府が応じられず、この計画はより小規模になる可能性もあると報じた。
セマフォーが報じたところによれば、この施設はマイクロソフトが東アフリカで展開するクラウド拠点の中核となる予定だったが、政府内で同施設に対する支払いの承認が得られなかった。事情に詳しい関係者の1人は、この計画について、当初から詳細が固まる前に打ち出されたトップダウン型の措置であり、「事業化の裏付けを欠いたままの発表だった」と述べた。
ケニア情報省のタヌイ首席秘書官はブルームバーグ・ニュースに対し、このプロジェクトの条件については、電力需要の詳細や近隣諸国との協力を含め、「なお調整が必要だ」と述べ、「失敗したわけでも撤回されたわけでもない」と強調した。
マイクロソフトとG42はコメントを控えた。ケニア大統領府の当局者は、先の発言は「次世代のデジタルインフラを支えるために必要なエネルギー規模にケニアが向き合う必要がある」という意味に過ぎないと説明した。同当局者は遅延の理由については説明しなかった。
G42のクラウド部門コア42のタラル・アル・カイシ最高経営責任者(CEO)は1月にブルームバーグ・ニュースに対し、ケニアでの同施設計画が「鈍化している」と述べたが、詳細には触れず、「そのため、われわれは他の地域に注力している」と語った。
一方、中国の華為技術(ファーウェイ)はケニアでの事業拡大を続けている。同社は春にバルセロナで開催されたモバイル関連見本市「MWC」で、ケニアのサファリコムとの提携を大々的にアピールし、さらに先週には同国で家庭向け光ファイバー網の拡張計画を発表した。
原題:Microsoft’s African Data Center Hits Stalemate: Tech In Depth
(抜粋)
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