(ブルームバーグ):海運大手の間で燃料費を削減するために通常よりも速度を落とした運航を検討・実施する動きが広がっている。
日本郵船の曽我貴也社長は11日の決算会見で、同社はイラン戦争が起こる前から運航の効率性を追求してきており、「燃費改善のためできる限りの減速運航を既にやっている」と述べた。今後燃料供給に対する懸念がさらに高まってきた場合には、さらに減速した運航を行う可能性があるとの考えを示した。
減速運航を巡っては海運大手のA.P.モラー・マースクも先週、燃料費削減やコンテナ船の過剰供給問題に対応するため実施を検討しているとビンセント・クラーク最高経営責任者(CEO)が明らかにした。川崎汽船の五十嵐武宣社長も8日の決算会見で、燃料費削減のために減速運航を行っていると明らかにしていた。
イラン戦争の影響でエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡は事実上封鎖されており、船舶用燃料を含め石油製品の価格は高止まりしている。減速運航を行うことで海運各社は業績の下押し要因となっている燃料費を削減できる一方、航海日数が長くなるため海運市場の需給が引き締まる要因になる。
国際海事機関(IMO)の温室効果ガス排出削減プロジェクト「GreenVoyage2050」によると、減速運航は総燃料消費を約3-12%削減する効果がある。
日本郵船の曽我社長は、ホルムズ海峡の封鎖が長期化し原油の供給がさらに滞ってくると、燃料を調達できる海運会社は事業が継続でき、「勝ち組になっていく」とも話した。「今のところはそういう状態にはならないと思うが、おそらくそういうことが危ぶまれる段階では減速運航を前段階として一生懸命やることになる」と続けた。
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