マクロトレーダーのパブロ・デュラン・スタインマン氏は、大手ヘッジファンド運営会社ミレニアム・マネジメントへの転職で2度目の合意を交わしたものの、同社で働くことはなかった。

人事について話しているとして匿名を条件に述べた関係者によると、ミレニアムでの勤務開始直前になり、スタインマン氏は雇用契約を反故(ほご)にした。同氏は2021年にも勤めていたソロス・ファンド・マネジメントを辞めてミレニアムに移る予定だったが、最終的な転職先はエクソダスポイント・キャピタル・マネジメントだったという。

関係者の1人によると、スタインマン氏は今週、ケン・グリフィン氏率いるシタデルでシニア・ポートフォリオ・マネジャーとして働き始め、同社で自身のチームを立ち上げる見通しだ。

スタインマン氏のように、転職の合意を交わしていても、より好条件があれば「ドタキャン」して別の会社に移るケースがヘッジファンド業界で広がっている。業界の人材獲得競争は一段とは激しくなっている。

同氏は2025年にエクソダスポイントを退社し、ミレニアムへの移籍に合意した上で1年間の移籍前休暇「ガーデニングリーブ」に入っていた。その間にシタデルに引き抜かれた。

ミレニアムとシタデルの広報担当者はいずれもコメントを控えた。スタインマン氏もコメント要請に応じていない。

ヘッジファンド各社は長年、競業避止義務を厳格化し、ガーデニングリーブを最長で18カ月に延長するなどして、有力トレーダーの囲い込みを図ってきた。だが、この戦略は裏目に出始めている。トレーダーの待機期間が長くなるほど、競合他社による引き抜きの時間が増えるほか、待機期間が終わりに近づけばその分、即戦力として人材の価値が一段と高まるためだ。

ミレニアム・マネジメントやシタデル、ポイント72アセット・マネジメント、バリアズニー・アセット・マネジメントといったマルチ戦略大手が、限られたトップトレーダーをめぐって争奪戦を繰り広げる中、提示条件の競り合いは過熱し、訴訟に発展するケースも出ている。

ショーンフェルド・ストラテジック・アドバイザーズは、同社への転職合意を反故にしたとして、ミレニアムのポートフォリオマネジャーであるアダム・グランフェルド氏を提訴。契約を履行しなかったとして、同氏に1100万ドル(約17億2300万円)の支払い義務があると主張している。

原題:Hedge Fund Trader ‘Gazumps’ Millennium Again to Join Citadel

(抜粋)

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