世界的な投資運用会社インサイト・インベストメント・マネジメントは日本円のショートポジションを維持している。日本当局が最近行ったとみられる円買い介入の効果が薄れれば、円下落が再開すると見込んでいる。

約800億ドル(約12兆5000億円)の資産を統括する通貨ソリューション責任者フランチェスカ・フォルナサリ氏はメルボルンでのインタビューで、為替介入は基礎的な金融政策や財政政策の変化に支えられない限り成功する公算は小さいと述べた。

日本銀行は利上げで出遅れ、政府も支出計画を維持していることから、いずれも円にとってマイナスだと指摘し、「政府は1ドル=160円を譲れない一線にしようとしている」が、「問題は、進められている政策が必ずしもそれと整合的ではないことだ」と語った。

政府・日銀は為替介入を確認していないが、事情に詳しい関係者によると、1ドル=160円台に円安が進んだ4月30日に市場に入ったという。

その後も5月1日、4日、6日に見られた急激な値動きについて、トレーダーの間では円買い介入の特徴を示しているとの見方が出ている。現在、円は1ドル=156円89銭前後で推移。ブルームバーグが日銀勘定を分析したところ、当局は通貨防衛に総額540億ドル超を費やした可能性が高い。

フォルナサリ氏は、当局が市場に入ると一時的にボラティリティーが高まり、その後は最終的に値動きが反転する傾向があると説明し、「そうした変動を受け入れつつ、ショートを維持する方が望ましい」と述べた。

円安にもかかわらず、日銀は4月の金融政策決定会合でも再び利上げを見送った。会合後の植田和男総裁のハト派的な発言を受けて円は下落。市場の焦点は6月の会合に移っており、スワップ市場では現在、72%の利上げ確率が織り込まれている。

財政面では、高市早苗首相が支出計画を進めるとともに、食品に対する消費税の2年間停止を打ち出しており、借り入れコストの上昇や金融リスクの高まりにつながり得る。また、日本は米国に5500億ドルを投資することも約束しており、これも円売り圧力を強める要因だとフォルナサリ氏は分析している。

同氏によれば、「再び介入するかどうかはドルの動向次第」で、「中東の混乱が続けば、160円前後の水準を防衛するため、再び介入に踏み切る必要が出てくる可能性は十分にある」という。

原題:Insight Fund Bets Yen to Slide Again After Japan Intervention (抜粋)

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