(ブルームバーグ):トヨタ自動車は8日、今期(2027年3月期)の営業利益が前期比20%減の3兆円を見込むと発表した。中東情勢の混乱が長引いており、原料費などのコスト上昇が利益の押し下げる。米国関税影響も重しになっており、トヨタの経営は曲がり角を迎えている。
資材価格上昇や仕入れ先の基盤強化の費用による影響が前期比で1兆1900億円の営業利益のマイナス要因となると見込んでいる。そのうち、4000億円が中東情勢による影響。営業面の影響もあわせて中東影響は6700億円となる。
発表資料によると、会社側の今期営業利益計画はブルームバーグが事前に集計したアナリスト22人による予想平均値4兆6091億円を大きく下回った。

原材料価格の上昇に加え、中東情勢の混乱も現時点で収束しておらず、自動車業界には先行き不透明感が漂っている。トヨタは24年3月期に5兆3529億円と過去最高の営業利益を記録したが、その後は減益傾向が続いている。米国関税影響も今期は前期と同様、1兆3800億円のマイナス影響を見込む。
宮崎洋一最高財務責任者(CFO)は決算会見で、3期連続での減益見通しとなることを「CFOとして重く受け止めている」と述べた。収益力の改善に向け、生産能力の増強や生産車種の再編、原価低減などの取り組みを進めていくとした。
今期の年間配当は100円と前期実績から5円の増配を見込んでいる。また、通期の想定為替レートは1ドル=150円と前期比で1円円高方向に設定。1ユーロは180円と前期比で5円円安方向とした。トヨタ株は決算発表後に下落に転じ、一時3.5%安の2874円と約7カ月ぶりの日中安値を付けた。

ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは前期の営業利益実績がわずかに下回ったことが「物足りない印象」と指摘した。
今期については低水準ながら、保守的な予想が事前から想定されていたため、悲観的にはみていないとコメント。中東影響は現状が1年間にわたって続くことを想定している上に今後の改善や対策を織り込んでおらず、実際の影響はそれより少なくなる可能性もあるとの見方を示した。
トヨタでは経理畑出身の近健太氏が4月に社長に就任した。同氏が重視する損益分岐台数引き下げの取り組みにより厳しい経営環境下でどこまで体質強化を図れるかが注目される。
近社長は会見で、原価改善の取り組みなどを積み重ねた結果として損益分岐台数は改善していくと述べた。また、トヨタが目安として掲げる株主資本比率(ROE)20%達成に向け「非連続の成長」を目指していくと語った。
部品の補給やアフターサービスなどの「バリューチェーン」や新領域での事業を拡大することで営業利益率の改善や新たな資本構成の最適化を図っていく考えだという。
トヨタでは今期のグループ世界販売台数は1118万台と前期比0.9%減を見込む。日野自動車が連結から外れることも影響する。日本以外の主要な地域ではおおむね増加の見通しとなっている。
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