米連邦準備制度理事会(FRB)の当局者3人は、次の金融政策変更について、利下げの可能性が高いと示唆することがもはや適切ではなくなっているため、4月27日の連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文の文言に異議を唱えたと明らかにした。

米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は1日に公表した論考で「FOMCは、経済の推移に応じて、次の金利変更が利下げにも利上げにもなり得ることを示す政策見通しを提示すべきだと考える。それにより現在の金融環境はやや引き締まり、将来、より強力な金融政策対応を必要とする高インフレシナリオに対して、抑制効果をもたらす可能性がある」と述べた。

米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁

米クリーブランド連銀のハマック総裁は同日発表された別の声明で、今年の経済は今のところ底堅く推移しており、原油価格の上昇が広範なインフレ圧力を強めていると述べた。

ハマック氏も「2026年の経済見通しを巡る不確実性は高まっており、それに伴い金融政策の今後の道筋もより不透明になっている。現在の見通しを踏まえると、この明確な緩和バイアスは、もはや適切ではないと考える」としている。

ダラス連銀のローガン総裁も自身の声明で、インフレ率をFRBの目標である2%に戻すまでにどれだけ時間がかかるかについて懸念が強まっていると述べた。また、FOMCの政策ガイダンスは、次の一手が利下げになるリスクと利上げになるリスクが均衡していることを反映すべきだと主張した。

ローガン氏は「中東の紛争は、供給の混乱が長期化または繰り返される可能性を高め、それがさらなるインフレ圧力を生む恐れがある」とし、「FOMCの次の金利変更は、利上げにも利下げにもなり得ると考えるのが妥当だ」と語った。

ハマック、カシュカリ、ローガンの3氏は、4月27日のFOMCで、政策金利の据え置き自体には賛成したが、FRBが利下げ再開に傾いていることを示唆する声明文の表現には反対した。

FOMCで対立の焦点となったのは、声明に含まれる「追加的な調整の程度とタイミング」という文言だ。FRBは2025年末に0.25ポイントの利下げを3回実施した後、今年は政策金利を3.5%から3.75%のレンジで据え置いている。この文言は27日も変更されず、いずれ利下げが再開されることを示唆している。

だが、1月以降、次の政策変更が利上げとなる可能性もあると明確にするよう、声明文の修正を求める当局者が増えている。イラン戦争により押し上げられたエネルギー価格の高止まりが物価上昇圧力を広げ、すでに高水準にあるインフレをさらに悪化させる可能性が懸念されているためだ。

米クリーブランド連銀のハマック総裁

カシュカリ氏は論考の中で、中東情勢がどのように展開し得るかについて二つのシナリオを示した。ホルムズ海峡が比較的早期に再開されれば、基調的なインフレ率は3年連続で約3%程度となり、消費者や場合によっては労働市場にも圧力がかかる可能性があるとした。その場合、FRBは政策金利を長期間据え置いた後、段階的に利下げを行う必要がある可能性が高いとしている。

一方で、戦争が長期化すれば、米国ではインフレと失業の双方が上昇するとした。インフレがすでに5年間にわたりFRBの目標水準を上回っている中で、長期的なインフレ期待が不安定化し、それを抑えるため、FRBが利上げに踏み切る可能性があると述べた。

原題:Three Fed Officials Say Rising Uncertainty Drove Dissents(抜粋)

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