商船三井は30日、イラン戦争の影響で事実上の閉鎖が続くホルムズ海峡とその周辺の航行が正常化する時期の見通しを後ろ倒しにした。

商船三井の資料によると、同日発表した今期(2027年3月期)の業績見通しで今年7月にホルムズ海峡周辺の航行がおおむね正常化されるとの前提を置いた。商船三井は3月末に発表した中期経営計画では、ホルムズ海峡周辺の情勢不安が短期間(4月末をめど)で収束に向かう前提で今期の見通しを示していた。

商船三井の田村城太郎社長は同日のオンライン説明会で、関係各国の合意などによりホルムズ海峡の通航が可能になったとしても、「時間軸で言うと早くても7月ぐらいまでかかるので、こういう想定を置いた」と話した。

商船三井は今期の営業利益予想を前期比17%減の1050億円と発表、ブルームバーグが事前に集計したアナリスト予想の平均値(1344億円)を下回った。中東情勢に伴う配船への影響や燃料費の増加により、自動車船、コンテナ船、ケミカル船事業などで損益が悪化する見込み。

商船三井の田村社長

発表を受けて同社の株価は午後の取引で下落し、一時前営業日比3.4%安の5765円を付けた。その後、再び上昇に転じる場面もあるなど不安定な値動きとなっている。

米国とイランの和平交渉は行き詰まりの様相を呈しており、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖は長期化し燃料費は高止まりする可能性がある。

同日の決算会見で田村社長は、ホルムズ海峡の封鎖が長期化した場合には原材料や燃料の不足で一部の物が作れなくなったり、輸送力を絞らないといけなくなるといったマイナスの要因もあると述べた。そのため正常化が想定する7月よりも遅れた場合に業績への影響がプラスとなるか否かについて見通すのは現状では困難だと語った。

田村社長は今月9日のブルームバーグとのインタビューの時点では、今回の事態を受け企業による調達先の分散が進み、輸送に必要となる船の数が増加し海運業界にはポジティブに働く可能性があるとの見方も示していた。

(会見での田村社長の発言を追加して更新します)

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