(ブルームバーグ):米イラン戦争によるホルムズ海峡の閉鎖で高騰するエネルギーや素材価格が、最終製品の価格にも波及し始めている。包装資材や電力価格、物流費など影響は多方面に及び、夏以降に値上げのペースは加速しそうだ。
これまでは原料を扱う化学企業などから値上げが公表されるケースが多かったが、今後は消費者に身近な商品へと波及していきそうだ。山崎製パンは28日、包装材料の価格上昇などを踏まえて食パン「ダブルソフト」や菓子パン、和洋菓子など306品目の価格を7月出荷分から5%超引き上げると発表した。
帝国データバンクが30日公表した調査によれば、食品・飲料の今年1-9月の値上げは6290品目を見込む。前年同期よりも6割減となった一方、「包装・資材」を要因に挙げた割合は69.9%で、9.7ポイント高まった。帝国データバンクは飲食料品について、早ければ夏、遅くとも秋にかけて広範な値上げラッシュが起こる可能性が高いと見ている。
同社が中東情勢の影響をまとめたアンケート調査では、食品関連の中小企業から「ポリプロピレンやポリエチレン原料の包材メーカーから猶予期間なしの大幅な値上げの要請が相次いでいる」との声が出ていた。大手メーカーでも業務用食品で生産停止を余儀なくされるなど生産活動への影響も出始めているという。
昭和産業も、6月1日納入分から家庭用・業務用の油脂製品を25%以上値上げすると28日に発表した。大豆相場の高止まりや円安に加えて、中東情勢の悪化を背景にエネルギーや資材、物流費などのコストが上昇していることを受けた措置だ。
キッコーマンの中野祥三郎社長は24日の決算会見で、現在の原油市況や為替の状況が1年続いた場合には80億-100億円のコスト増要因になると説明した。広告宣伝費や市場調査費などを削れる可能性はあるが、「余地が限られている所はある」といい、価格転嫁に踏み切らざるを得なくなる場合もあるとした。
小売店にとっては電力価格の高まりがネックになりそうだ。原油市況に連動するためで、一般家庭向けでは5月使用分から徐々に上がっていく見込み。小売店は冷蔵、冷凍保管にかかる電力が大きいため電力コスト増への懸念は強く、イオンやローソンは省エネ対策の強化に取り組む考えだ。
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