決算発表が相次いだ29日、世界の大手テクノロジー企業が人工知能(AI)分野の取り組み状況が垣間見えた。アルファベット傘下のグーグルはAI投資の明確な成果を上げている一方、メタ・プラットフォームズは出遅れていることが分かった。

この日は、両社のほかアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトもわずか2分の間に相次いで決算を発表した。4社はAI向けデータセンターへの最大の投資主体であり、総額で数兆ドル規模と見込まれるインフラ整備の中心に位置している。

アルファベットのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)

投資家やアナリストの間での重要な論点は、巨額投資が実際の成果を生んでいるかどうかだ。この点でグーグルは、クラウドコンピューティング部門の堅調な成長を示した。同部門の前四半期の売上高は200億ドル(約3兆2000億円)と、市場予想の184億ドルを上回った。同社によると、AIソフトウエアとAIインフラ需要を背景に「著しい成長の加速」が見られたという。

スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会議で「当社のAIモデルは強い勢いを持っている。製品やプラットフォームを通じて、日々何十億人もの人々に有用なAIを提供している」と述べた。

受注残は前四半期からほぼ倍増し、4600億ドル超に達した。この期間は、「Gemini(ジェミニ)」を含むグーグルの消費者向けAIサービスにとっても過去最高の四半期だったと、ピチャイ氏は述べた。

決算を受け、アルファベット株は時間外取引で6.6%上昇し、他のテック大手を上回る動きとなった。

一方、メタは年間の設備投資額を最大1450億ドルへ引き上げたことから、株価が6%余り下落した。設備投資額の増加は一部、部品価格の上昇によるものだ。

メタのマーク・ザッカーバーグCEO.

設備投資の拡大はメタに限らず、グーグルなども目標を引き上げている。ただメタは、この巨額投資に見合う成果を十分に示せていない。グーグルと異なりクラウド事業を持たず、消費者向けAIアプリの普及も遅れている。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、マンディープ・シン氏はリポートで、主要なAI企業と比べると、「メタの単体アプリは他の最先端AI開発企業に比べ利用の活発さで劣る」と指摘した。

メタのマーク・ザッカーバーグCEOは支出拡大の判断に自信を示したものの、説明は曖昧だった。電話会議では、各AI製品をどう育成するかについて「非常に明確な計画があるわけではない」と発言。「将来的にどのような形になるべきかの大枠は見えている」としつつ、自身の説明が「十分でないかもしれない」と認めた。

フォレスター・リサーチのアナリスト、リー・サスター氏はリポートで「AI分野で主導権を握った場合の潜在的な利益が非常に大きいため、各社は投資を続けており、投資家や顧客はその影響を見極める必要に迫られている」と指摘した。

アマゾンでは、同社のAI事業の伸展を示す指標とされるクラウド部門の売上高が前年同期比28%増となり、2022年4-6月(第2四半期)以来の高い伸びとなった。

同社はまた、主要AIスタートアップであるOpenAIとアンソロピックへの投資からも恩恵を受けている。アンソロピックが企業価値9000億ドル超の評価で資金調達を検討しているとブルームバーグ・ニュースが報じたことを受け、アマゾン株は29日に上昇した。

一方、マイクロソフトはクラウド収入と投資の加速見通しを示した。クラウド部門「Azure(アジュール)」の売上高は今四半期に約40%増加する見込みで、暦年後半には「緩やかな加速」を見込む。

もっとも、業務用ソフト「Office」ユーザーのうちAIツール「Copilot(コパイロット)」の有料利用者の割合が低い点への懸念は残る。同社によると、Copilotの有料利用者数は2000万人と、前四半期から500万人増加した。

投資家の反応は限定的で、株価は時間外取引で小幅に下落した。シティグループのアナリスト、タイラー・ラドキー氏はリポートで、今回の決算について「堅実な実行の四半期ではあるが、勢いの大きな変化には至っていない」と指摘した。

原題:Alphabet, Amazon Outpace Meta in AI During Earnings Bonanza(抜粋)

--取材協力:Riley Griffin、Brody Ford、Matt Day、Julia Love.

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