30日の日本市場では、株式、円、債券がすべて下落するトリプル安の展開となりそうだ。米国の利下げ観測が後退したことに加え、封鎖が続くホルムズ海峡の通航正常化の見通しが立たないことや、米人工知能(AI)関連投資の先行きに対する警戒感が投資家のリスク回避姿勢を強める。

28、29日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通り政策金利が据え置かれたものの、中東紛争に伴う不確実性の高まりを背景に3人の委員が将来的な利下げ再開を示唆する文言を盛り込むことに反対した。トランプ政権に近いとみられるマイラン理事は0.25ポイントの利下げを主張したが、意見の相違が鮮明になる中、市場では年内の利下げ観測はほぼ消滅し、来年はむしろ利上げとの見方が台頭した。

一方、トランプ大統領がイランの港湾に対する海上封鎖を解除しない方針を示したと伝わったほか、封鎖長期化を辞さない姿勢との報道もあり、原油価格は急騰。国際的な指標である北海ブレント原油は2022年6月以来の高値を付けた。

29日米国時間取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトの米ハイテク大手は、各社とも好調な業績を示した。時間外取引でアルファベットとアマゾンの株価は上昇したものの、メタはコスト増による設備投資予測引き上げが嫌気され6%程度下げるなど、急増するAI関連投資負担に対する不安はくすぶっている。

こうした流れを受け、日本株も下落が見込まれる。外為市場では原油高による日本の貿易収支悪化が意識されやすく、円は日本時間早朝にかけて対ドルで160円47銭と24年7月以来の安値を付けた。同年に記録した1986年以来の安値161円95銭も視野に入りつつある中、日本の通貨当局による円買い・ドル売り介入への警戒感も強まる。月間ベースで円はドルに対して1%程度下げ、主要10通貨で唯一の下落通貨となっている。

債券市場では、ホルムズ海峡封鎖の長期化によるインフレ懸念が売り圧力となり、米国30年債利回りは9カ月ぶりに節目の5%に乗せた。円債市場でも10年国債利回りが2.5%を試す展開が予想される。

(注:表中の終値は米国時間終値。円相場は対米ドル、前営業日比は円の対ドル変化率。米10年金利の前営業日比は変化幅(単位:%ポイント)。日経平均の前営業日比はシカゴ・マーカンタイル取引所清算値と大阪取引所清算値との比較。シカゴ取引所が休場の場合は大阪取引所の前日清算値と最終取引値の比較。金は1トロイオンス当たりのドル建て価格)

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