米アマゾン・ドット・コムは、今年1-3月(第1四半期)にデータセンター拡充のため予想を上回る投資を行い、クラウド部門の売上高が過去3年余りで最も高い伸びを記録した。

代表的な人工知能(AI)スタートアップ、アンソロピックとOpenAIから得られるビジネスシェアの拡大を目指すアマゾンは29日、今年3月末までの1年間で有形固定資産に1510億ドル(約24兆2000億円)を投じたと発表した。前年同期比で579億ドル増えた。

同社の売上高の約5分の1、営業利益の大部分を占めるアマゾンウェブサービス(AWS)の今年1-3月の売上高は376億ドルと、前年同期比28%増加した。2022年4-6月(第2四半期)以来の大幅な伸びとなった。

アマゾン(本社シアトル)は、OpenAIとアンソロピックがAWSサービスに今後数年で1000億ドル以上を支出する契約を締結し、過去数カ月にわたり必要な投資を進めてきた。

こうした提携は、OpenAIのChatGPTやアンソロピックのClaude (クロード)、アルファベットのGemini(ジェミニ)と肩を並べる消費者向けAI製品がアマゾンにないことや、AWSの成長鈍化を巡る投資家の不安を和らげる助けになる。

アマゾンの株価は29日の米株市場で、1.3%高の263.04ドルで取引を終えた後、時間外取引で約4%上昇した。通常取引終了時点の年初来上昇率は14%となる。

最大のAI投資対象の一つ、アンソロピックが企業価値を現在の倍以上の9000億ドルと評価する資金調達ラウンドを検討しているとブルームバーグが伝えたことも株価に影響した。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、プーナム・ゴヤル氏らは「このクラウドプロバイダー(アマゾン)が、コーディング関連作業などで拡大するAI導入の好機を捉える有利な立場にあるとわれわれは考えているが、AWSの予想を上回る売上高の伸びはそれを裏付ける」と決算発表後に公表したリポートで指摘した。

アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)によれば、同社は今年、AIサービス向けにカスタマイズされたデータセンターなどに約2000億ドルの投資を目指す。2025年と比べると投資額は56%増える。今年1-3月の有形固定資産投資は442億ドルに急増し、アナリストの予想を上回った。

これに伴いアマゾンの直近1年のフリーキャッシュフローは、四半期末時点で12億ドルとなり、前年同期の259億ドルから減少した。

アマゾンの1-3月の売上高は前年同期比17%増の1815億ドル。ブルームバーグが集計したアナリストの予想平均1772億ドル。営業利益は前年同期の184億ドルから約239億ドルに増加した。

全体に占める割合が最も大きいオンライン売上高は12%増の約643億ドル(予想平均は627億ドル)、広告収入は24%増の172億ドル(同169億ドル)だった。後者は電子商取引事業の収益性向上に寄与するという意味で、投資家が注視している。

原題:Amazon Reports Higher Spending to Fuel Cloud Unit Sales (1)(抜粋)

(最新の株価やアナリストの見解を追加して更新します)

--取材協力:Spencer Soper.

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