米関税政策を巡る一連の変更により、連邦財政赤字は10年間で約1兆1000億ドル(約175兆円)拡大する見込みだ。超党派の米議会付属機関である議会予算局(CBO)のスウェーゲル局長が明らかにした。ただし、正確な試算はまだ難しいとした。

同局長は27日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、長期的な見積もりについて「十分に確信を持てる段階にはまだ至っていない」と述べた。

トランプ米大統領が1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて各国・地域に課した関税措置について、米連邦最高裁は今年2月、同法は大統領にそのような権限を与えていないと判断し、昨年導入された関税措置の大部分を無効とした。

同局長によると、この最高裁判断が今後10年間で財政赤字を約2兆ドル押し上げる要因となる。一方、トランプ氏がこれまでに発表した代替措置による歳入は8000億-9000億ドルにとどまり、失われた歳入の「半分弱」に過ぎない。

「最高裁の判断によって無効になった関税措置と、その後に政権が新たに導入した代替措置を差し引くと、10年間の赤字は約1兆1000億ドル増加する」と同局長は指摘。また、「政権は新たな関税の導入やそれらに変更を加える権限を多く有する」ため、手続きが完了するまで正確な赤字額を見積もるのは難しいとした。

加えて、イラン戦争によるエネルギー価格上昇が、2025年に実施された減税による景気押し上げ効果を打ち消していると述べた。

減税の「恩恵はエネルギー価格上昇による家計への影響でおおむね相殺されている」と同局長は説明。「企業投資やインフレへの影響もあり、さまざまな要素が絡んでいる。まだ予算の更新を行っていないため、それを裏付ける経済見通しは現時点では作成していない」と語った。

原題:CBO Chief Says Tariff Changes May Boost Deficit $1.1 Trillion(抜粋)

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