ウォール街のストラテジストによると、ケビン・ウォーシュ氏が率いる米連邦準備制度理事会(FRB)の体制が始動すれば、31兆ドル規模の米国債市場を現在の狭い取引レンジから揺り動かす可能性がある。ストラテジストらは投資家に対し、短期ゾーンの利回りが最終的に低下することを見込んだポジション構築を促している。

米国債利回りは27日、2-3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、月間の値動きとしては2020年後半以来の狭いレンジとなるペース。米国とイランの戦争終結に向けた協議が行き詰まる中、FRBが今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見方が広がっており、10年債利回りは3bp上昇し4.33%となった。

こうした低ボラティリティー環境(少なくとも現物債取引において)は、ストラテジストに長期的な材料への注目を促している。元FRB理事のウォーシュ氏は今週、パウエルFRB議長の後任としての指名承認採決に臨む。

モルガン・スタンレーのマシュー・ホーンバック氏率いるストラテジストは、ウォーシュ体制のFRBは新たなインフレ指標を重視し、市場へのフォワードガイダンスを減らし、バランスシートの縮小を志向する可能性があるとみる。これにより「会合ごとのボラティリティーが高まる可能性がある」という。こうした見方から、短期ゾーンの利回り上昇圧力とイールドカーブのスティープナー取引の復活が見込まれている。

もっとも足元では、債券市場は前月の下落後、おおむね安定している。原油価格の高止まりはインフレリスクと受け止められ、長期化すれば経済成長を損ない景気減速を招きかねない。資産運用者らは今週のFOMC会合でのパウエル議長の発言から、戦争による経済への影響を当局がどう評価しているかを見極める構えだ。

トレーダーは年内利下げの見方に傾いており、12月会合までに0.25ポイントの利下げのうち8bp分を織り込んでいる。利下げは一般に短期ゾーンの利回りを押し下げ、10年債や30年債といった長期との利回り格差を拡大させるとみられている。

PGIMフィクスト・インカムのグローバル債券責任者兼チーフ投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は、当局者が「強い経済と目標を上回るインフレを踏まえ、時間を稼ごうとするだろう」と予想。「市場にショックを与え、金融環境の意図せぬ引き締めを招くことは避けたいはずだ」と述べた。

同氏は当面、紛争が経済指標にどう影響するか次第で、短期国債はリスクにさらされるとみる。FRBが重視するインフレ指標が4月30日発表される予定で、投資家の注目を集めるとみられる。

原題:A Warsh-Led Fed Stands to Reignite the Treasuries Steepener Bet(抜粋)

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