中国の人工知能(AI)業界が価格攻勢に打って出ている。DeepSeek(ディープシーク)は最新の主力モデルで低価格プランを強くアピールし、シリコンバレー勢に挑む。

浙江省の省都、杭州に本拠を置く同社のAI研究所は先週リリースした「DeepSeek-V4-Pro」について、開発者向けに75%割引を提供。

また、自社のAIプラットフォーム群全体でキャッシュヒット時の入力料金を従来の1割に引き下げた。これにより、類似または反復的なリクエストを頻繁に送るユーザーのコストが大幅に低減される。

今回の動きは、DeepSeekが昨年、「R1」で業界構造を揺るがした後に起きた価格競争を再燃させる可能性がある。最新のプロモーションは、米国のOpenAIやアンソロピック、アルファベット傘下グーグルが相次いで新たなモデルを投入する中で打ち出されたが、米国勢のサービスは利用コストが高額になり得る。

中国のAI企業はユーザーに乗り換えを促すため値引きを進めており、世界のAI市場で自社モデル採用の加速を図るとともに、米中AI競争の構図を塗り替えようとしている。

中国のDeepSeekは、新たな主力となる人工知能モデルのプレビュー版を公開し、同社で最も強力なオープンソースプラットフォームだとしている

DeepSeekは価格やアクセスのしやすさ、高度な機能を通じて、次世代AIの開発者や企業ユーザーに訴える差別化を狙う。

DeepSeek-V4のコンテキストウインドー(モデルが一度に処理できるデータ量の上限)は、複雑なコードベースや長文ドキュメントの処理を可能にする点で重要だ。このモデルは「Claude Code」「OpenClaw」「OpenCode」と容易に統合でき、より広範なAIエコシステム(生態系)の中での活用をしやすくしている。

インドのAIスタートアップ、O-ヘルスの共同創業者アクシャル・ケレマネ氏は「価格設定やオープンソースでの提供、100万トークンのコンテキストウインドーはいずれも、開発者やスタートアップ、中小企業にとっての参入障壁を引き下げている」と述べ、「これまで利用できなかったモデルの能力と規模での実験が可能になる」と指摘した。

米ゲイツ財団が支援するO-ヘルスは、大規模病院や地方の診療所で稼働するAIを展開している。

原題:DeepSeek Slashes Fees for New AI Model in Chinese Price War(抜粋)

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